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宗歩好島黄楊赤柾盛り上げ駒
第333作(菅原孝悦氏所蔵)


別カット

素彫りの状態の「玉将」 彫り埋めの状態の「玉将」

盛り上げの状態の「玉将」


 依頼されることも多く、また私自身も好きな書体の一つがこの「宗歩好」だ。同じく「作品ライブラリー」の中でも、今回の作で7作目となった。
 この「宗歩好」は、どのような駒木地にでもそれなりにマッチする書体でもある。先の7作のうち、盛り上げが今回の作を含めて5作、彫り駒と書き駒がそれぞれ1作ずつであると、製法もそれぞれである。盛り上げの作でいうと、中国黄楊赤柾(第191作・▼別項参照)、薩摩黄楊孔雀杢(第248作・▼別項参照)、島黄楊柾目(第276作・▼別項参照)、島黄楊淡雪杢(第280作・▼別項参照)と駒木地も実にバラエテイーに富んでいる。それぞれを参照し、見比べていただきたい。つまり、駒木地に左右されない力強い書体ともいえるのが、「宗歩好」である。
 すぐ上の彫り・彫り埋め・盛り上げの「玉将」の駒形の縁をよく見ていただきたい。「宗歩好」は奥野一香(名工の轍・▼別項参照)の書体であったことはよく知られていると思うが、奥野作の特徴の一つに、面取り(駒形の縁を少し落として、指し心地を柔らかくすること)がある。それを意識しているわけでもないが、酔棋流の面取りを駒の完成時までに施している。彫りの工程のときには面取りはせずに、彫り埋めの完成時には面取りをしてある。その違いが、写真からわかっていただけるだろうか?
  書体そのものの由来などは、「書体への誘い・宗歩好」(▼別項参照)をご覧いただくとして、ここで紹介する「宗歩好」は島黄楊赤柾である。赤柾はやや粗いがそれすらも一つの魅力といってもいいかもしれない。長いこと使っているうちに、おそらくは全体に赤みを帯びて赤柾もより際立ってくることだろう。

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駒の詩