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宗歩好島黄楊淡雪杢盛り上げ駒
第280作(山中善明氏所蔵)


「王将」と「玉将」の裏)に、依頼者のお名前を一字ずつ彫り埋めで入れた。「王将」の裏を盛り上げてしまうと、指すときに違和感を抱くから、彫り埋めにしてある。 素彫りの状態のときのもの。このような派手な杢は、堅いところとやわらかいところがあるので、彫りにくいもである。

 かなり派手な「淡雪杢」で作ったのが、この「宗歩好」である。ご覧いただいておわかりのように、実際に駒に作ると駒木地のときよりは模様がより際立ってくる。
 また、別項の「作品ライブラリー・鵞堂(第262作)」は、この「宗歩好」(一番取り)の駒木地の二番取りであった。これは木地師から聞いた話だが、同じ原木から高級な駒木地を作るときに、一番いい模様や味わいのものを集めて一組にした駒木地が「一番取り」となり、以下は「二番取り」「三番取り」となるという。これは「根杢」に限らず、「虎斑」「虎杢」「赤柾」などでも同じことである。
 「宗歩好」は私も好きな書体の一つで、別項「作品ライブラリー・宗歩好(第191作)」の赤柾をはじめ、これまでにいろいろな駒木地で数多く作ってきた。なかでも今回の「淡雪杢の宗歩好」は、作っている間も私自身ワクワク感が生じてきたくらい、気に入った作品となった。
 そのときの思いや熱意が少しでも、実物の駒で表現できていることを願って、依頼者に手渡した。

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駒の詩