かなり派手な「淡雪杢」で作ったのが、この「宗歩好」である。ご覧いただいておわかりのように、実際に駒に作ると駒木地のときよりは模様がより際立ってくる。
また、別項の
「作品ライブラリー・鵞堂(第262作)」は、この「宗歩好」(一番取り)の駒木地の二番取りであった。これは木地師から聞いた話だが、同じ原木から高級な駒木地を作るときに、一番いい模様や味わいのものを集めて一組にした駒木地が「一番取り」となり、以下は「二番取り」「三番取り」となるという。これは「根杢」に限らず、「虎斑」「虎杢」「赤柾」などでも同じことである。
「宗歩好」は私も好きな書体の一つで、別項
「作品ライブラリー・宗歩好(第191作)」の赤柾をはじめ、これまでにいろいろな駒木地で数多く作ってきた。なかでも今回の「淡雪杢の宗歩好」は、作っている間も私自身ワクワク感が生じてきたくらい、気に入った作品となった。
そのときの思いや熱意が少しでも、実物の駒で表現できていることを願って、依頼者に手渡した。