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酔棋好島黄楊柾目書き駒
第393作(小倉揺二氏
所蔵)


別カット

「王将と玉将」の書き駒の漆の感じ。
「王将と玉将」のそれぞれの裏に名前を彫り埋めで入れた。
 同じ「作品ライブラリー」に掲載している「酔棋好島黄楊根柾彫り駒(第314作)」(▼別項参照)以来、実に久しぶりに私のオリジナル書体「酔棋好」を作った。「酔棋好」の書体そのもの由来や成り立ちは、「書体への誘い・酔棋好」(▼別項参照)をご覧いただきたい。
 今回の依頼者は、私の甥の小倉揺二さんである。2015年10月にNHK文化センター柏教室で行った講演「将棋駒の世界〜歴史とその魅力〜」(▼参照)に足を運んでくれたので、そのお礼も兼ねて駒を一つ作ってあげることにしたものである。甥はそれほど将棋を指すわけでもないので、実際に使うというよりも飾っておくとのことであった。
 そこで甥自身に何の書体がいいのか尋ねたところ、「やはり叔父さんのオリジナル書体である『酔棋好』がいい」とのことで、この書体を選んだのである。この「酔棋好」では、これまでにも「盛り上げ駒」や「彫り駒」をいくつか作ってきた。今回、私が得意としている「酔棋流書き駒」(▼別項参照)で作った。つまり、オリジナル書体をオリジナル製法で、作ってみたことになる。
 また、甥にとって記念の駒にもなるわけだから、「王将」に私の名前(雅人)を彫り埋めで入れ、「玉将」に甥の名前「搖二」を入れたのである(左写真参照)。甥が言うには、「どうせ入れるなら旧字のほうが格好いい」とのことで、それを使った。
 まだ、形見には早いと思うが、そろそろ終活の時期に入る私にとっては、そういう意味も込めて作って渡したのだ。甥がどこまで理解しているかはわからないが、叔父の生きざまが今回の駒にもこもっていることを知ってほしいとひそかに思っている。 

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駒の詩