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清安書島黄楊柾目彫り埋め駒
第360作(川合 仁氏
所蔵)


別カット

素彫りの「玉将」。 彫り埋めの「玉将」。

 同じ「作品ライブラリー・巻菱湖(第347作)」(▼別項参照)を依頼者にお譲りしたときに、この「清安」も新たに依頼された。依頼者は、自ら定期的に人を集めて「将棋の研究会」なども開催しているほど、将棋好きのアマ強豪でもある。つまり、飾るための駒ではなく、実戦で指すための駒を求めていたのである。作る私(酔棋)としても、ふだんから「使われてこそ名駒」を標榜しているくらいだから、それは望べくことでもあった。
 依頼者は、これまであまり盛り上げ駒で指してはこなかったから、先の「巻菱湖」をもちろん使うつもりではいるが、ふだん使いとしてもう一組彫り埋め駒も欲しくなったという。そこで、新たに彫り埋めの「清安」を注文したというわけだ。「巻菱湖」にしても、「清安」にしても、どちらかといえば、オーソドックスな書体でもあるし、実戦で指すにはまさに最適だろう。
 ちなみに、同じ「作品ライブラリー」に掲載している、「清安書斑入り根柾(第297作)」(▼別項参照)は盛り上げ駒で、「清安書楓虎斑(第343作)」(▼別項参照)は書き駒。駒木地の違いもあり、一概には比べられないが、この彫り埋めの「清安」と書き駒、盛り上げ駒でそれぞれ製法での趣の違いなどが、わかっていただけるだろうか?
  駒マニアや収集家の中には、同じ書体で異なった製法をそろえたり、多くの駒師の同じ書体をそろえたりといった、独特の楽しみをしている方々もいるようである。前作の「寉園(第359作)」(▼別項参照)の依頼者は、おもに隷書の駒を集めたりしている。このような視点も、駒マニアとして趣向に富んだ収集といえよう。

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駒の詩