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余分な駒木地があったので「玉将」2枚作り、「王将」含めて全部で3枚。 |
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やや紫がかった紫檀に、色漆のアイボリーが映える。 |
同じく
「作品ライブラリー・無劍(第245作)」も、この「無劍」と同様の紫檀の駒木地で、仕上げもまったく同じ拭き漆である。だから今回の「無劍」は、新作には間違いないが再登場ということになる。
今回オファーがあったから、単に同じようなものを作ったわけではない。オファーがあろうがなかろうが、この紫檀には白色漆を使った「無劍」がぴったりだと感じたからである。あえていえば、以前手放した「無劍」に未練がまだ残っていたからかもしれない。要するに、売れなくても手元に置いておきたい駒の一つでもあるからだ。
以前にも書いたが、「紫檀」「黒檀」など色の濃い駒木地には、通常の呂色漆(黒)ではなく、色漆を使うことが私の場合は多い。なかでも白色漆が一番であろう。この作品より後になる
「作品ライブラリー・長録(第311作)」にも、やはり白色漆を使っている。
白色漆といっても、実は完全な白にはならない。左の「玉将」のアップ写真をご覧いただければ、白というよりどちらかというとアイボリーなことがおわかりだろう。このやや紫がかった紫檀には、白よりもむしろアイボリーのほうがマッチいていると思う。
現在は、チューブに入った色漆を漆屋さんから購入して使っているが、かつては木地呂漆に色粉を混ぜて作っていたものである。ただし、これは分量がうまくいかず、なかなか同じ色合いにならないという難しさがあった。
書体の無劍については、別項
「書体への誘い・無劍」をご覧いただきたい。