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長録書ブライヤー玉杢書き駒
第311作(蛸島彰子氏所蔵)


別カット

 

 

駒木地持ち込みによる、依頼の駒だ。ブライヤーという木地は、もともとはパイプなどに使う外材である。ブライヤーをネットで検索してみたところ、「地中海沿岸に自生する、ツツジ科の落葉潅木(エリカの近縁種)の木の根塊」だそうである。
かつて1作だけ、私も作ったことがある。それは別項「書体への誘い・関根名人書(第138作)」に掲載している。その駒は盛り上げ駒であったが、今回は書き駒となる。ブライヤーの駒木地をそのときに彫ってみた感じとしては、多孔質な黒檀や紫檀よりも、ずっと彫り跡もよくなかなかいい駒材になるのではという印象を抱いた。その後、今回のブライヤーにめぐり合うまでは、まったくといっていいほど縁がなかった。
今回は書き駒ということなので、実際にとりかかる前にサンプルを作って、依頼者にお見せした。そのサンプルは、通常の呂色漆(黒)と白色漆であった。結局、依頼者は白色漆のほうを選択し、ここに掲載した「長録」になったのである。「長録」の書体そのものについては、別項「書体への誘い・長録」をご覧いただきたい。
このブライヤーの駒木地は、その模様から「玉杢」に分類される。右写真のアップにした「玉将・歩兵」を見ていただくと、玉のような模様があり「玉杢」といわれるゆえんがおわかりだろう。また、白色漆(実際には白というよりアイボリー)の書き駒の具合も見ていただきたい。

※2018年5月、元の所蔵者(樋村氏)が引退記念として蛸島彰子女流六段に進呈した。

 

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駒の詩