数ある「安清」の中で、私が最も気に入ったものが、別項の
「名工の轍・豊島龍山」で紹介している、今は亡き龍山作の書体であった。
そこで、本来は奥野作の「錦旗」を通称「奥野錦旗」(
「書体への誘い・錦旗」参照)というのにならって、龍山作の「安清」(数種類あり)を、私が「龍山安清」と名づけたわけである。同じく
「作品ライブラリー・龍山安清(第195作)」は、私自身が日常に使っている駒であることから、この書体は自分好みでもあるし、得意としている書体の一つでもある。
依頼者の林田さんは、「関西駒の会」の会長(
「第3回オフ会実況!」参照)でもあり、自らも駒や駒木地も作ってもいる。だから、この薩摩黄楊縮み杢の駒木地は、林田さん持ち込みなのである。島黄楊、薩摩黄楊にかかわらず「龍山安清」は、このような比較的派手めな駒木地のほうが似合っている気がする。
駒作りのうえでの工程の違いは、上の2つの写真をご覧いただきたい。