金龍中国黄楊虎斑書き駒 |
「玉将・王将」表の虎斑。 | 「玉将・王将」裏の虎斑。 |
金龍書島黄楊斑入り柾盛り上げ駒・木村作。 |
かつてずいぶん前に2作ほど作ったことはあるが、私(酔棋)の作としては『駒の詩』で初めて掲載する書体「金龍」だ。
別項の「駒関連資料館」には、それぞれ作者が異なる「4.金龍薩摩黄楊板目彫り駒・信華作(▼参照)」「13.金龍島黄楊板目交じり盛り上げ駒・龍山作(▼参照)」「27.金龍島黄楊板目彫り駒・作者不詳(▼参照)」を掲載している。また、さらに別項の「名工の轍・木村文俊(▼参照)」の中に「金龍書島黄楊虎斑盛り上げ駒・木村作」
(最下段)も紹介している。
詳細は省くが、「金龍」そのものは、江戸期から明治にかけて活躍した駒師(2代いるとされている)の号であって、書体名ではなかったのである。それが後世に伝わり、書体名として確立したものとされている。そのあたりは2018年末に掲載予定の「書体への誘い」で、そのときにご覧いただきたい。
ちなみに、今回制作の駒の書体のもととしたのは、左に掲載した写真の駒『将棋駒の世界』(P71掲載)である。つまり先ほども述べてたように、一口に「金龍」といってもそれぞれの駒師が解釈やアレンジを加えているので、いろいろな「金龍」が存在している。現在『酔棋字母帳』にも、3種類の字母紙を作ってある。
今回の作は「中国黄楊虎斑」だが、完成してみたら虎斑も細かく色合いも黄色が強く、なかなかいい味わいになったようだ。