金将の裏。雪がちらちらと舞っているような杢のぐあいから、「淡雪杢」と名づけてみた。ちなみに別項「書体への誘い・董仙」は、ずいぶん前に作った駒だが、こちらは極上の「淡雪杢」である。 |
この作品を作るにあたって、新たに字母紙を作り直した。そこで、同じ書体でも別項「書体への誘い・鵞堂」とは、やや趣が異なった仕上がりとなっているので、見比べていただきたい。
この駒木地の「淡雪杢」とは、私が命名した名称だから、あまり一般的ではないかもしれない。この作品ライブラリーの別項「宗歩好(280作)」が駒木地としての「一番取り」で、この「鵞堂」はその「二番取り」である。
私は駒木地を作るわけではないので、親しい木地師から聞いた話を少し紹介する。
同じ木の虎斑や根っこから駒木地を作る場合、一番いいところで一組の駒木地にしたものを「一番取り」といい、次が「二番取り」、その次が「三番取り」と落としていくという。それによって駒木地価格もかなり違ってくるのだ。
もっとも、いつも「二番取り」や「三番取り」が取れるとはかぎらないのだが、ちょっと覚えておいてもいい、駒木地のワンポイントかもしれない。