漆のブレンド次第で、焦げ茶が濃くも淡くも仕上がる。 |
「奥野錦旗」は、よく依頼されて彫り駒として制作することが多く、また私が得意としている書体の一つでもある。
この「作品ライブラリー」の中にも第201作、第225作があり、「第4回オークション」に出品した第244作と3作に上り、これで4作目となる。かつてはこの書体で盛り上げ駒も作ったことがあるが、どういうわけか最近ではもっぱら彫り駒しか制作していない。
彫り駒の場合、通常の呂色漆(黒)を使用したり、また私(酔棋)の好みで、木地呂漆(やや透き通った茶色)と呂色漆のブレンド(呂色はほんのわずか)で作ることもある。このようなブレンドした漆は、上の写真(玉将・歩兵)をよくご覧いただくとおわかりのように、焦げ茶に仕上がるので黒よりもやや目にやさしく感じられるのである。同書体の呂色を使った第244作と比べていただきたい。
この虎斑の駒木地は、やや黄色みが強いので、この漆がより似合っている気がする。