- 酔棋

駒のことなら何でもわかる!!

トップ 作り方 作品 フォト オークション 情報室 書体 名工 資料館 BOOK メール・問い合わせ

宗歩好島黄楊根杢盛り上げ駒
第472
(木屋太二氏所蔵)


別カット

「玉将と歩兵」のアップ。「玉将」の太字で漆の盛り上がりがよくわかる。

今年(令和5年)4月に、指導棋士七段で将棋連盟より表彰。「玉将・王将」裏に。


「宗歩好」が完成し、木屋氏主催の「横浜将棋会」で、樋村氏が贈呈したときの一枚。左・樋村氏、右・木屋氏。


 今回の「宗歩好」は、私(酔棋)と同じく「将棋駒研究会」の駒作り仲間である樋村和己(号・道和)氏が、まずは駒を私に依頼してきたところから始まった。その趣旨は、観戦記者でおなじみの木屋太二氏が今年(2023年 )指導棋士七段になられたので、「その記念の駒を作ってほしい」というものだった。
 思えばその木屋氏と私は、かつて一緒に『筋違い角と相振り飛車』『超阪田流角命戦法』(森内優俊流棋本ブックスシリーズ)(▼別項参照)などで、木屋氏に執筆してもらい、当時の私の会社が編集しいくつか棋書を世に出したことがある。振り返ると木屋氏とは、およそ30年くらいのおつきあいになるわけだ。木屋氏は1940年に奨励会入会、1944年将棋観戦記者になられた。現在も観戦記で活躍しているから、50年以上のキャリアとなる。また、俗にいわれる「浜研(横浜研究会)」を長いこと主催し、アマ強豪や若手棋士、また奨励会会員の研究会の場ともなった。そのような将棋界における功績から、今回指導棋士七段となられたのだ。
 私が透析生活になって以来、彫りの工程がやりにくくなり、現在は「書き駒」のみお受けする状態だ。ただし、せっかく木屋氏の昇段お祝いに駒を作るなら、盛り上げ駒のほうがいいと思い、先の樋村氏に彫りの工程を頼んだのである。今年に入ってから、樋村氏は以前「将棋駒研究会」(▼別項参照)を主催していた北田義之氏より、駒木地作りの道具や材料も譲り受けていた。北田氏もご高齢になられ、木地作りを樋村氏に受け継がしたのである。
 という流れから、道和が駒木地を作り提供し、「彫り」を担当。酔棋がその後「彫り埋め」にし、最近行っている拭き漆仕上げの「盛り上げ駒」を完成させたのだ。「宗歩好」は本来双玉だが、「王将」追加してある。その一連の過程は、左写真(上・彫り、中・彫り埋め、下・盛り上げ)をご覧いただきたい。
 また、樋村氏は若い時にかつて奨励会を受けたことがあり、そのとき師匠となられたのが物故棋士・坂口允彦九段だった。また、木屋氏の奨励会時代の師匠も坂口九段なのである。だから、樋村氏は木屋氏の弟弟子となるわけだから、兄弟子に「昇段祝いに駒」を望んだものである。
 木屋氏は、現在も「横浜将棋会」開催し、アマチュアに将棋も教えている。そこの講師として樋村氏も呼ばれたのでうかがい、その時に今回の「宗歩好」を手渡したのである(上写真参照)。この駒を、研究会や棋譜並べにお使いになるという。木屋氏の将棋人生の晩年に、少しでも役に立てば、この「宗歩好」さぞやうれしいに違いない。
「道和彫り・酔棋盛り上げ」というこのような駒は、同じく「作品ライブラリー・酔棋好島黄楊根杢盛り上げ駒(第467作)」(▼別項参照)が初めてである。このHPをご覧いただいた方がもしもお望みなら、このような「盛り上げ駒」限定ならお作りすることはできるので、それを踏まえてご要望いただきたい。

※もっと大きな写真を見たい場合は、「フォトライブラリー」(▼参照)で、「作品ライブラリー・472」を探してください。

 「作品ライブラリー」トップに戻る

トップへもどる
駒の詩