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酔棋好中国黄楊根杢盛り上げ駒
第467作(渡部道雄氏所蔵)


別カット

下地の彫りが双玉であったため、この作品は例外として、「酔棋好」の双玉となった。

左の「と金」の赤丸の箇所は開いていないが、右の「と金」の赤丸の箇所は開いている。

彫り埋めにしてから、研磨し拭き漆を施した。

完成した盛り上げの状態。

 おなじみの「酔棋好」だが、今回はかなり特殊な「盛り上げ駒」となる。このHPでも書いてあるように、2021年くらいから透析によって彫る作業が難しくなり、現在「書き駒」のみの制作としていることは、みなさんもご存じのこととは思います。
 ある時、この状況をよく知っている駒作り仲間の樋村和己氏(号・道和)が彫った素彫りの駒を、彼から私(酔棋)がいただいたのである。そこで、久しぶりに盛り上げを作ってみる気になり、彫り埋め以下の工程を私が務め、完成させたやや特殊な駒というわけだ。
 樋村氏に私の作った「酔棋好」の字母紙は以前に渡してあった。ところが、つい「双玉」で彫ってしまったとのこと、また「と金」も上記の写真のように赤丸の箇所をくるっと開けていた。というわけで、今回の「酔棋好」は従来と少し異なっているが、それも一つの個性には違いがない。他の人が彫ったものを盛り上げるのは、ときには新たな発見もしたりと、なかなか興味深いものだった。
 2024年8月に新たに「王将」2枚作ってから、所蔵者にお譲りした。本来双玉の書体ではないからだ。

※もっと大きな写真を見たい場合は、「フォトライブラリー」(▼参照)で、「作品ライブラリー・467」を探してください。

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