- 酔棋

駒のことなら何でもわかる!!

トップ 作り方 作品 フォト オークション 情報室 書体 名工 資料館 BOOK メール・問い合わせ

清正好島黄楊柾目彫り埋め駒
第372作(浅井武夫氏
所蔵)


別カット

 もちろんのこと依頼されたからにほかならないが、久しぶりに酔棋オリジナルの書体の一つ「清正好(清正遺愛)」を制作した。かつて作ったものは、同じ「作品ライブラリー」に掲載している「清正遺愛島黄楊柾目盛り上げ駒(第207作)」(▼別項参照)と「清正好島黄楊虎斑盛り上げ駒(第230作)」(▼別項参照)で、今回の駒で全部で3作となる。
 もともとこの「清正好」という書体は、下に掲載した「中将棋」の駒が原本となっている。拙著『将棋駒の世界』(▼別項参照)にも掲載(P19)したこの「中将棋」の駒は、世に伝わる「水無瀬駒」の一作といわれ、熊本市本妙寺宝物館に保存されている。その駒には、加藤清正公が豊臣家から拝領されたものといういわれもあった。
 「水無瀬駒」については、「駒関連資料館・24水無瀬駒のハンコ」(▼別項参照)をご覧いただきたい。そこの残された「飛車」を見ると、この「清正好」や下の「中将棋」の「飛車」と似通っていることがおわかりいただけるだろう。
  1998年のことになるが、その中将棋(水無瀬駒)の復刻版をある方に頼まれて、「中将棋水無瀬書島黄楊書き駒(第189作)」(▼別項参照)を制作したのである。その後、下に掲載した原本をもとに、足りない駒字の「成銀」「桂馬」「と金」などは、他の水無瀬駒を参考にして一つの書体としたのである。先に書いたような由来から、「清正好」と名づけ、別名として「清正遺愛」としたものである。
 今回の駒は依頼者の希望で、本来なら双玉で作るところ、第230作と同じく「玉将2枚+王将1枚」としたものである。これも依頼者の希望であるが、いずれはこの彫り埋め駒を盛り上げ駒にしてほしいとのことであった。もちろん私(酔棋)が作れる状況であればと、快諾したのである。しばらくの間使ってから、駒を作り直して楽しむというのも愛駒家の一つの駒に対する思いではないだろうか?

中将棋水無瀬駒(表) 中将棋水無瀬駒(裏)

 

「作品ライブラリー」トップに戻る

トップへもどる
駒の詩