- 酔棋

駒のことなら何でもわかる!!

トップ 作り方 作品 フォト オークション 情報室 書体 名工 資料館 BOOK メール・問い合わせ

英朋書島黄楊柾目書き駒
第334作(上村晃大氏所蔵)


別カット

「玉将」と「歩兵」

 トップページをご覧いただいておわかりのように、2012年1月に拙著『将棋駒の世界』(▼別項参照)を電子書籍(▼別項参照)として刊行した。電子書籍化するときにいろいろとお世話になったのが、この「英朋」の所蔵者となった上村さんである。
 電子書籍化するにあたって、何回かやり取りを重ねているうちに、上村さんが将棋をされることがわかった。それならば刊行が実現した暁には、私が書き駒を作って記念に差し上げることをお約束した。数ある書体の字母紙を上村さんにお見せして、お好みの書体として選んでいただいたのが「英朋」だったのである。好みの書体を選ぶことはなかなか悩ましいことでもあるが、駒好きにとっては至福の時間ともいえる。また、私のような駒師にとってもこの「駒木地にはどんな書体が合うのか」と考えるのは、同じく何ともいえない至福の時間なのである。
 「英朋」そのものの由来などは、「書体への誘い・英朋」(▼別項参照)をご覧いただくとして、上の写真を見ればおわかりのように、表が隷書・裏が篆書という個性あふれた書体である。長いこと指されて、上村さんの個性も加味され味わい深くなれば、差し上げたほうとしてうれしいかぎりだ。
 やや小ぶりの柾目の駒木地に、隷書体が表現されているすぐ上の写真(玉将と歩兵)を見れば、漆の感じがわかっていただけると思う。記念対局として私と上村さんで指してみたが、「英朋」は比較的太字ではないので、漆の高さはそれほどでもないためか、完成したばかりの駒にしては回ることもなく指しやすかった。

「作品ライブラリー」トップに戻る

トップへもどる
駒の詩