「淇洲」は、比較的依頼されることの多い書体である。この「作品ライブラリー」の中だけでも、今回で6作目にも及ぶし、
「書体への誘い・淇洲」をはじめとする他の項目にも、いくつか掲載している。
製法も書き駒、彫り駒、盛り上げ駒といろいろだ。また駒木地も、柾目をはじめとして、赤柾、縮み杢などと実にバラエティーに富んでいる。「淇洲」自体の書体そのものが、オーソドックスであるがゆえに、製法やどのような駒木地にも、かえってマッチするのだろう。個性の薄いのが「淇洲」の特徴ともいえるが、それが逆に独特の個性をもたらしているのかもしれない。
依頼者である小林さんに棋力をおうかがいしたら、私(酔棋)と同じくらいとのことであったので、魂入れの儀式(完成した駒で指す)は、依頼者と制作者の初対局となった。
その将棋は、別項
「『駒の詩』関連棋譜」(日付/2008年5月17日)に掲載してあるので、そちらをご覧いただきたい。