別項「書体への誘い」で紹介している「源兵衛清安(第180作)」以来、久しぶりに作った。元来は盛り上げ向きの書体だと思うが、彫り駒でもそのやわらかい味わいは、比較的出せていると思う。
依頼者は、実際には父親だが、息子さんが将棋教室に通い、将棋を始めたので、その記念のプレゼントだという。そこで、記念になればと考え、4枚の「金将」の裏に彫り埋めで、4人家族の名前を入れて差し上げた。
少年は伸び盛りの時期だから、この駒で指しているうちに、おそらくあっという間に、父親よりも強くなるにちがいないだろう。