「酔棋制作駒第4回個展」会場ご来場者応募 当選者と完成駒発表! 「第4回個展」(▼別項参照)の会場にて、ご来場者に応募いただきました。下記に書いてあるとおり、個展2日目の10月16日17時より厳正なる抽選を行い、当選者を決定いたしました。後日、当選した方に駒木地「中国黄楊虎杢」をお渡しし、お好みの製法「彫り駒」と書体「三孝」を選んでいただき、完成したのが下記に紹介する「三孝書中国黄楊虎杢彫り駒・酔棋作(第407作)」です。 |
『駒の詩』へのアクセス数が2016年12月で、22万を超えました。いつも『駒の詩』をご覧いただいているみなさんのおかげです。そのみなさんへの感謝の意も込めて、また例年のように開催している、酔棋からの「駒プレゼント抽選の第13回」を「第4回個展」にいらした方に会場で応募いただき抽選し、当選者が決定いたしました。
■会場抽選駒プレゼント(当選1名)
※ここで掲載しているよりもさらに大きな写真が見たい方は、「フォトライブラリー」(▼別項参照)へ行って「▼オークション出品・プレゼント抽選・将棋大会」(下のほう)で、作品番号(No.407)をお探しください。 ●書体の「三孝(さんこう)」について
私の駒制作リストを調べてみたら、1985年制作の「三孝書島黄楊板目彫り駒(第32作)」をはじめ、かつて2作は作ったと思われます。どちらにしても30年以上たつので、本当に久しぶりになります。 ――「将棋駒研究会」会長・北田義之氏の叔父・北田三孝(2011年没)がこの「三孝(さんこう)」の駒字の主。それを駒の書体に仕上げたのが、先の義之氏である。 田村さんが「喜びのコメント」にも書いているように、この「三孝」はまさに北田さんに深い縁のある由来の書体なのです。かなり以前にその書体を入手し、2013年に私がバランスや大きさを整え、あらためて字母紙にしておいたものを、今回の制作に使いました。これを機に、いずれ私が得意にしている「書き駒」でこの「三孝」を作ってみようかと考えています。 ●魂入れの記念対局
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手前が私(上手)、奥が田村さん(下手)の二枚落ち戦。 | 駒組みが整い、仕掛けを熟慮する。 |
下手「二歩突き切り」定跡の駒組み。 ▲盤面拡大 |
上手の頓死で投了となった。 ▲盤面拡大 |
「三孝」の完成をお知らせすると、12月某日に田村さんは駒を受け取りに拙宅までいらっしゃった。完成した駒を田村さんはご覧になって、しばし歓談ののち、一局記念対局を指すことになりました。駒をお渡しするときに新しく所蔵者となられた方と、よく一局指します。これは「魂入れ」と呼んで、新しい駒に将棋を教えるための一つの儀式でもあります。
田村さんに棋力をうかがったところ、初段には届かないということでしたので、記念対局は私が上手の二枚落ち戦となりました。下手の「二歩突き切り」定跡で進み、途中かなりまぎれて上手が飛車を手に入れおもしろくなったと思ったとたんに、下手の勝負手に間違えて頓死し、上手の投了となりました。
終局後の感想戦で検討してみたところ、まだまだ難しい変化もあり、勝負はどうなったかわからなかったかもしれません。とはいえ新しいこの「三孝」の彫り駒は、所蔵者となった田村さんに初勝利をもたらしたのです。
田村さんにおうかがいしたところ、所蔵している他のいくつかの駒とともに、この「三孝」もローテーションで指して使うとのことでした。先の「喜びのコメント」にもあるように、「三孝」という書体は、田村さんと不思議な縁で結ばれているような気もしますので、いつかこの「三孝」に再び私もめぐり合って、育ち具合を見るのを楽しみにしています。
駒木地・中国黄楊虎杢 田村さんが抽選によって当選した駒木地。この駒木地で「彫り駒」を希望の書体「三孝」で作ることに決定しました。 |
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「第4回個展」(▼別項参照)に掲載しているものを、ここにも再掲します。上記の駒木地「中国黄楊虎杢」は、会場にいらして抽選に応募(連絡先/お名前、携帯番号かメールアドレスを書き抽選箱に入れて応募する)していただいたみなさんを、16日(日曜)午後5時に厳正なる抽選を行って当選者を決定しました。 抽選の模様は下の写真をご覧ください。抽選を行ったのは、北田さん、三上さん、私(酔棋)です。
北田さんが、抽選箱から1枚引き ます。 |
当たりを確認する三上さんと私。 | 10番目に応募いただいた田村さ んが当選 しました! |
すでにお知らせしたように、当選者は埼玉在住の田村将司さんに決定しました! 田村さんに電話で当選をお知らせすると、第一声は「エッ! マジ」でした(笑い)が、その後喜びも伝わってきました。抽選から翌週の土曜日に田村さんに拙宅までおいでいただき、下記のように『酔棋字母帳』からお好みの書体を選んでもらい、上記の「中国黄楊虎杢」の駒木地で「三孝」の「彫り駒」を作ることになりました。
田村さん(左)に駒木地をお渡しする。 | 『字母帳』をご覧になり、「三孝」を選ぶ。 |