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新龍島黄楊糸柾書き駒
第348作(高橋智哉氏所蔵)


別カット

 この駒「新龍(第348作)」の所蔵者となった依頼者は、ネットをご覧いただき問い合わせてきて、最初は「酔棋好」が欲しいとのことだった。
 そこで、私(酔棋)が、「現在手元には『酔棋好』がないことと、新たに作るにしても、もしも東京近郊の方なら拙宅の工房においでになって、実物の駒や字母紙をご覧いただいてから決めたほうがいいのでは」と提案した。その提案どおり、後日依頼者に拙宅を訪問していただき、じっくりと駒や字母紙(約70種類/2013年3月くらいに作り直した)をご覧になり、ずいぶんと悩んでから「新龍」という書体に決めたのである。ちょうど、少し前に作った「新龍孔雀杢盛り上げ駒(第344作)」(▼別項参照)を実際に見たのも、その書体を選んだ一つの要因かもしれない。
 駒木地は通常の「柾目」でいいということだったが、手元に「糸柾」が数組あったので、「柾目」と同じ価格でいいとお伝えしたところ、それに決まった。将来は「盛り上げ駒」も考えているが、まずは「書き駒」で作り、その指し心地などを味わってもらうことになった。このように「書体・駒木地・製法」をじっくりと考えて決めるというのも、駒を依頼するときの醍醐味だと私は考えている。
 上の写真にも写っているが、格言「一歩千金」を入れた「根付(裏に名前が入っている)」も、サービスで作って差し上げた。また、「玉将」の裏にはお名前を彫り埋めで入れてある。先の「新龍孔雀杢」でも書いたとおり、本来この書体は奥野作が原本だから「双玉」が基本である。ところが、この「新龍」は通常どおり「玉将・王将」である。依頼者のお好みでそのようにしたともいえるが、実は私が作り終わってから気づいたのが事実である。「、」だけ加えれば、「双玉」できることを依頼者にお伝えしたところ、「そのままでいい」ということで、このようになったわけである。

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駒の詩