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書体不詳黒檀彫り駒・作者不詳
(石井雄揮氏所蔵)




「歩兵」のアップ。右はこの切り抜き。 文字を切り抜くと、「不兵」と見える。

 書体不詳、作者不詳のかなり古い彫り駒だ。このような彫り駒は江戸末期から明治初頭にかけて作られたものが多いとされている。当時は「黒檀、紫檀」など外来の木は、国内の黄楊などよりも高価だったといわれる。
 この「駒資料館・40 書体不詳黒檀赤漆彫り駒・作者不詳」(▼別項参照)の掲載駒と同様に、今回の駒も赤漆が彫りに入れられていたと思われる。かなり薄くなっているが、「玉将」などを見ると赤漆が残っている。また、この駒の「香車」が極端に細いのも古い駒に見られる特徴でもある。
 駒の書体が古来いろいろあるように、駒字そのものの表現も実にいろいろだ。上に掲載した「歩兵」の駒を文字だけにしてみると「不兵」としか見えない。これは「歩」と「不」が音が同じだからなのか、それとも単に「歩」の崩し字が「不」なのだろうか。このような表現は今まで見たことはなかったから、とても興味をひかれた。
 惜しむらくは、「歩兵」が17枚しかなく「香車」は1枚不足している。この駒の所蔵者が木そのものに詳しく、また仕事も少し木にも関係しているとのことで、もしかするとこにの駒ような「黒檀 」も手に入るかもしれないとのことだった。駒木地にさえしてもらえれば、私(酔棋)が「歩」の不足駒と「香車」の1枚を作ってもいいかなと、考えている。

 

 

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