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書体不詳黒檀赤漆彫り駒・作者不詳
(石井良明氏所蔵)



「双王」の不思議な「王将」。 「飛車・竜」と「角行・馬」。

 上写真の駒銘は、ご覧のとおり何も記されていないので、書体名・作者名は共に不詳である。
 江戸後期くらいには、この駒のように「黒檀」あるいは「紫檀」などの駒が作られることもあったようだ。それらは外材つまり輸入したものなので、当時黄楊よりも高かったとされている。山形県天童市にある「天童市将棋資料館」や千葉県野田市にある「関根名人記念館」には、この駒と同じような作り(赤漆や白漆)のものが展示されている。
 この駒は、表が隷書・裏が一字の略字というのが特徴で、他には上写真のように「双玉」なら不思議ではないが、「双王」なのである。現代の駒で、いくつかの駒が混ざってしまい、結果「双王」になったものを拝見したことはあるが、最初から「双王」とはまさに驚嘆すべきではないか。
 下の盤や盤覆いは、この駒と共にネットオークションで出品されたものである。下写真の盤覆いの裏には、「弘化三丙午年」と墨書きされている。その年を調べてみると、西暦1847年となり、まさに江戸後期だ。必ずしもこれらの盤駒がいずれも当時のものかは判然とはしないだろうが、一つの参考資料にはなるはずだ。170年前以上に作られたものと考えるだけで、歴史の重みがひしひしと伝わってくる。

盤が入っている箱。 盤覆い裏には墨書きがある。 3寸5分くらいの榧盤と思われる。

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駒の詩