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金龍島黄楊板目彫り駒・作者不詳
(石井良明氏所蔵)


「金龍」の「玉と歩」。彫りはうまいわけではないが、味がある。
駒形の駒箱。大胆に「王将」と墨書きされたフタ。

 この「駒関連資料館」で、これまでにも「金龍」という書体は、「4.金龍薩摩黄楊彫り駒・信華作」(▼別項参照)、「13.金龍書島黄楊板目交じり盛り上げ駒・龍山作」(▼別項参照)の2組紹介してきた。また、木村文俊作「名工の轍(▼別項参照)」の「金龍」(▼別項参照)も現代に残されているように、比較的多くの駒師が「金龍」という書体は作っている。今回の「金龍」はそれら名工の作と比べると、やや略字の表現となっている。
 上の駒銘をご覧になっておわかりのように、「金龍」と大胆に漆書きされたものしか残されていないから、それが「書体名」なのか「作者名」なのかも判然としない。そこで一応「金龍」は書体名にして、作者不詳としたものである。
 もしかすると、このような駒が江戸末期に流行したという「金龍」という駒師の作とも考えられないこともないが、見た限りそれほど古いものとも思えないので、あまり名のない駒師が作った「金龍」といったところがたぶん正解なのだろう。
 左の写真に掲載した駒形の駒箱は、ありそうで実際にはあまりお目にかかったことのないユニークなものだ。当時の駒好きの好事家が、誰かに作らせたものかもしれない。いつの時代でも、いい意味でも悪い意味でも、マニアにはいろいろな人々がいるものだ。

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