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鵞堂島黄楊斑入り柾書き駒
第474
(野島崇宏氏所蔵)


別カット

「玉将と歩兵」のアップ。

「3玉」の裏。拭き漆仕上げで斑入りが際立つ。

 今回の所蔵者は、私の麻雀仲間のお一人で、元奨励会三段・野島崇宏氏である。1年半ほど前に、「将棋駒研究会」例会に指導将棋のため、野島氏がいらしたのが始まりだ。
 そのときに私(酔棋)の愛用駒・「龍山安清(第195作)」(▼別項参照)で、飛車落ちを指してもらった。私の得意戦法・巨泉流で挑み、最後の詰みの局面まで順調に進めたが、その詰みが少し難しかったので、必至をかけた。その瞬間に自玉には頓死筋が生じ、私らしく(笑い)終了となった。
 その指導将棋終了後、当日駒研の有志で野島氏のささやかな慰安会が開かれた。私も野島氏といろいろと話をしたら、私の懇意にしているプロ棋士・飯島栄治八段と奨励会が同期だったとのこと、将棋以外にも麻雀が好きなことがわかった。そこで機会があれば「今度は麻雀をやりましょう」となった。以来、野島氏が指導将棋のない日に、2か月に1度ほど盤ではなく、卓を囲むことになった。
 この場を借りて、野島氏のプロフールを振り返ってみる。

【1991年(平成3年)故・剣持松二九段門下にて、奨励会6級入会。同期に飯島八段、三段リーグまで進むも2004年(平成16年)年齢制限により奨励会退会。2018年(平成30年)指導棋士・四段。現在、子供から大人まで幅広い世代に将棋のレッスンを行っている】

 野島さんとは将棋がご縁で、現在は麻雀仲間となり、麻雀終了後、みなさんで軽く一杯が定跡となった。私の駒仲間はもちろんのこと、他の友人もだいたいが私の作った駒を譲ったりプレゼントしたりで、みなさんに使ってもらっている。
 私も透析生活が長くなりいつまで駒が作れるかどうかわからない状況なので、野島さんにも1組作って差し上げることにした。ご希望の書体をうかがうと、「鵞堂」とのこと。野島さんの外見は大きいが、麻雀の打ち方や牌の切り方には繊細な面も見られる。だからか、やや流麗で繊細な「鵞堂」を所望したのだろうか。
「今回増山さんからいただいたこの駒を、指導教室の対局で使い、子供たちに本物のよさを知ってもらえるよう、大切に使わせていただきます。ありがとうございました」
 以上のようなコメントを寄せていただいた。
 野島氏の指導将棋を受けている方は、どこかでこの駒に巡り合うことがあるかもしれないので、そのときは一手一手を大切にし、駒にも目を向けていただきたい。

※もっと大きな写真を見たい場合は、「フォトライブラリー」(▼参照)で、「作品ライブラリー・474」を探してください。

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駒の詩