左の4枚の「歩兵・と金」は本来のもので、右の4枚が作り直したものであろう。 |
この象牙製の書き駒「安清(花押)」は、私(酔棋)が知人からいただいたもの。私自身、黄楊以外の駒として、黒檀、紫檀、島桑、花梨(作った駒は「作品ライブラリー」などで紹介)をはじめいろいろと作ってきたが、これまでに象牙は作ったことがなかった。
象牙の駒は、鯨骨製の駒と同様に、江戸時代以降に作られたものが残されている。だが、現代ではご存じの「ワシントン条約」もあり、新たに作ることが難しくなっている状況だ。そこで、このような古い駒を作り直してみてはということで、知人からいただいたものなのである。
かなり古い駒で、作者や書体は「安清」にはちがいないのだが、書き駒の漆が摩耗したりして、後世の誰かがところどころ作り直したことがうかがえる(左の「歩兵・と金」参照)。また、この駒は俗にいわれる「雛駒」(雛壇に飾ってもいいような小さな駒)であり、通常の駒の半分くらいの大きさである。
いずれは作り直しにチャレンジしようかとも思っているが、ちょっと腰が重いのが現状である。
※2016年に完全修復「32安清(象牙)酔棋修復」(▼別項参照)し、すでに譲り渡している。