作者の「信華」については、別項の「金龍」をご覧いただきたい。
この駒は彫り埋め駒だが、駒銘は書き駒(盛り上げ駒)になっている。駒の製法と駒銘を同じにする(彫り駒には彫りの駒銘、盛り上げ駒には盛り上げの駒銘など)のもよくあるが、信華の場合は、製法にかかわらず駒銘はいつも同じである。
ちなみに私(酔棋作)も、最近では彫り駒でも、駒銘は必ず盛り上げにしている。これは作者の好みであろう。
この駒は信華作にはよく見られる「安清」でも、彫り埋め駒としては漆の色もやや黒っぽくてなかなかいい。それに実際に長年使われてきたからか、味わいがさらに深まっているようだ。