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源兵衛清安島黄楊赤根杢盛り上げ駒
第496
(飯島 隆氏所蔵)


別カット

「玉将と歩兵」彫り埋め時。

「玉将と歩兵」盛り上げ。



『下野新聞』に検分の模様掲載。
茶系のジャケットに白髪が増山。

 この「作品ライブラリー」に掲載している現在の最新作は、「董仙(第480作)」である。それなのに今回取り上げる制作番号は「第496作」とかなり飛んでいる。この駒の依頼者は、私(酔棋)の所属している「将棋駒研究会」の駒作り仲間でもあり、実はその彼から、2019年に制作番号「第496作」指定で、記念の駒を依頼されたものである。駒木地も、当時の展示即売会で販売されいていた個性のある「赤根杢」を依頼者が購入し、そのときに私が預かったのであった。
 その「496」という数字は、「完全数」とされ、調べてみると「自分自身を除く約数の和がその数自身に等しい自然数で、完全数の最初の4つは、6、28、496、8128です。 1万以下の完全数はこれら4つのみで、相当珍しい数とされています」となっている。依頼者はその数「496」に、こだわりが強くあったようだ。
 当時は実制作数が438作くらいであったため、まだ50作くらい先になってしまう。しばらくその依頼を放置していたが、そのころから私(酔棋)自身透析生活になり、いつまで駒が作れるのか、少し不安になってきた。また、透析のシャントを左手に作っていたため、彫る作業が難しくなってきた。依頼された「第496作」まで駒自体が作れるかも、自信もなくなってくる。現在盛り上げ駒を作る際に、樋村和己氏(号・道和)に彫りの作業を頼んでいるが、その最初となったのがこの「源兵衛清安(第496作)」であった。同じ駒作り仲間である依頼者に、樋村氏に彫りを頼むことも了解を得て、2022年に「盛り上げ駒」として完成させた。依頼者がこだわった制作番号のため、このHPにも掲載していなかったものである。
 2024年3月17日、第49期棋王戦第4局(藤井聡太八冠VS伊藤匠七段)に使われる駒に、「将棋駒研究会」が提供することになっていた。その駒の候補として、酔棋作の2作に決まっていたので、前日の検分に私(増山)が立ち会って駒の説明をしたのである(左写真の新聞記事と下写真の検分模様を参照)。これまでに酔棋作の駒がタイトル戦で使用されたのは、今回の「源兵衛清安」で3作目となる。同じ「作品ライブラリー」に掲載している「清安書島黄楊斑入り柾盛り上げ駒(第297作)▼別項参照」(2015年2月16日・17日、第64期王将戦第4局・渡辺明王将VS郷田真隆九段戦)、「錦旗島黄楊根杢盛り上げ駒(第444作)▼別項参照」(2022年3月20日、第47期棋王戦第4局・渡辺明棋王VS永瀬拓矢王座)の2作だ。
 私が駒作りを始めたのが1977年。それ以来、制作数が500作近くに及んでいる。私自身もその間、編集プロダクション経営や『将棋駒の世界』(▼別項参照)の執筆をはじめとし、将棋や駒にまつわる仕事にも携わってきた。駒の個展も4回開催できた。また、先の透析をはじめとし数々の病気などで入院もしたりと、けっして順風満帆ではなかった。とはいえ、それを陰で支えてくれたのが、将棋であり駒作りだった。年齢や透析生活のこともあり、これから何作作れるかわからないが、依頼されればそれなりにやっていくつもりでいる。

第49期棋王戦第4局、伊藤七段投了の局面(△8九金)。


検分に提供した酔棋作の2つ駒。左「源兵衛清安(第496作)」・右「巻菱湖(第300作)」

平箱に揮毫。 増山が駒の説明をする。両対局者が、指し心地を確かめる。

※もっと大きな写真を見たい場合は、「フォトライブラリー」(▼参照)で、「作品ライブラリー・496」を探してください。

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駒の詩