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森内名人書島黄楊柾目盛り上げ駒
第439作
(木村草太氏所蔵)


別カット


彫り埋めの状態。

盛り上げの状態。


 最近ではすっかり「書き駒」が多くなり、2019年に作った「盛り上げ駒」は、今回の「森内名人書」のみである。
 私自身(酔棋)透析生活を抱える現在では、左手の感覚が変わり、彫るのが少し面倒になった。とはいえ、「盛り上げ駒」を依頼されれば、数は少なくなったが作ってはいる。すぐ上の写真は、「彫り埋め時」と「盛り上げ時」のものだが、少しライティングに失敗したみたいで色合いが異なって見えてしまった。実物は、ちょうど真ん中くらいだ。
 「森内名人書」の由来や詳細は、「書体への誘い・森内名人書」(▼別項参照)をご覧いただくとして、今作で3作目となる。先のページに掲載しているのが初作(第290作)で、2作目がこの「作品ライブラリー・森内名人書(第305作)」(▼別項参照)に掲載しているものだ。「森内名人書」は、私がわざわざ当時の森内名人に頼んで実現した、オリジナル書体の一つでもある。
 今回(第439作)を制作するにあたって、森内俊之九段には事前にお断りしてある。この駒の依頼者の木村さんも、森内九段から免状をいただいているとのことで、駒を作るなら「森内名人書」と決めていたそうだ。私と木村さんとは、ある棋士の将棋会を通して知り合い、その後名人戦の前夜祭などでもたびたびお会いすることがあった。そのつながりで、2018年暮れに今回の駒を依頼されていたものだ。
 「森内名人書」は、いずれも「3玉」で作り、余分な「玉将」の駒銘は、「森内俊之書」と入れている(駒銘写真参照)。駒が完成した2019年暮れに、木村さんが拙宅に駒を取りにいらっしゃったとき、新しい駒に将棋を教える「魂入れ」の対局をした。その模様は下記の写真をご覧いただきたい。振り駒で先手・増山VS後手・木村に決まる。初対局になるので、両者とも相手の棋風はまったくわからない。手探りで進んだ実戦は、「角換わり」や「相掛かり」、または「横歩取り」ともいえない、急戦含みの将棋になった。
  いろいろな駆け引きの末、中盤過ぎに私が「一手バッタリ」の悪手を指し、突然の投了となった。勝った木村さんも、ちょっとビックリしていた。私の凡ミスで棋譜を汚してしまったが、新しい所蔵者の勝利を、この駒もおそらく喜んでいたにちがいない。

考える木村さん。 先手・増山VS後手・木村。 ▲局面拡大
私のメガネがずり落ちそう(笑)。 棋譜をつけていた橋浦さんを交え感想戦。

※もっと大きな写真を見たい場合は、「フォトライブラリー」(▼参照)で、「作品ライブラリー・439」を探してください。

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駒の詩