# ---- Kifu for Windows V6.00 棋譜ファイル ---- 開始日時:2010/06/10(木) 00:24:29 手合割:飛車落ち 下手:増山四段 上手:飯島プロ六段 手数----指手---------消費時間-- 1 3四歩(33) ( 0:22/00:00:22) *昇級(B2)のお祝いに差し上げた「龍山安清」で指した、私(酔棋こと、増山雅人四段)とプロ棋士・飯島栄治六段の飛車落ちの記念対局(2010年6月1日)。 2 7六歩(77) ( 0:03/00:00:03) 3 4四歩(43) ( 0:05/00:00:27) 4 4八銀(39) ( 0:07/00:00:10) 5 4二銀(31) ( 0:05/00:00:32) 6 4六歩(47) ( 0:04/00:00:14) 7 3二金(41) ( 0:05/00:00:37) 8 4七銀(48) ( 0:04/00:00:18) 9 5四歩(53) ( 0:03/00:00:40) 10 5六銀(47) ( 0:03/00:00:21) *ここまでの指し手は、ごく一般的な飛車落ち定跡だが。 11 4三銀(42) ( 0:04/00:00:44) 12 7八飛(28) ( 0:04/00:00:25) *ここの棋譜をご覧いただいているみなさんにはおなじみとなった、私が得意としている飛車落ち定跡「巨泉流」の飛車の定位置だ。 13 6二玉(51) ( 0:19/00:01:03) 14 7五歩(76) ( 0:04/00:00:29) 15 8二銀(71) ( 0:04/00:01:07) *上手は下手の「石田流」の駒組みに注意してか、変化球を投げてきた。 16 4八玉(59) ( 0:06/00:00:35) 17 8四歩(83) ( 0:05/00:01:12) *下手の飛車筋の歩を切らせて、上手は金銀を盛り上がってくるつもり。 18 7四歩(75) ( 0:06/00:00:41) *ここで、飛車筋の歩を切らずに駒組みを進めるのも一局だと思うが、気合からいって▲7四歩といった。 19 同 歩(73) ( 0:05/00:01:17) 20 同 飛(78) ( 0:10/00:00:51) 21 8三銀(82) ( 0:03/00:01:20) 22 7六飛(74) ( 0:05/00:00:56) 23 7二金(61) ( 0:05/00:01:25) *上手は予定どおりに進めて、下手の飛車に圧力をかけてくる。 24 6八銀(79) ( 0:05/00:01:01) 25 3三桂(21) ( 0:07/00:01:32) 26 7七銀(68) ( 0:05/00:01:06) 27 1四歩(13) ( 0:03/00:01:35) *この戦法では、上手の角の活用を見た▽1四歩の端歩突きには、注意しなければならない。 28 5八金(69) ( 0:08/00:01:14) *▽1三角に、▲4七金を事前に用意しておく。 29 4二金(32) ( 0:05/00:01:40) *上手らしい深謀遠慮の駒使いだ。 30 6六銀(77) ( 0:06/00:01:20) 31 1三角(22) ( 0:20/00:02:00) 32 4七金(58) ( 0:09/00:01:29) *もしも上手が、手持ちの一歩を使って▽4五歩からきても、以下▲同歩▽4六歩▲3六金で少し気持ち悪いが大丈夫そうだ。 33 5三金(42) ( 0:05/00:02:05) 34 3八玉(48) ( 0:06/00:01:35) 35 6四歩(63) ( 0:06/00:02:11) 36 7五銀(66) ( 0:50/00:02:25) 37 6三金(53) ( 1:13/00:03:24) 38 7四歩打 ( 0:45/00:03:10) *開いた角筋を生かして、▲4五歩と行くのもありそうだが、それには上手も▽5三金と戻って別な展開になる。 39 7三歩打 ( 5:18/00:08:42) *上手は金銀の厚み生かして、手筋の合わせの歩で位奪還をめざす。 40 同 歩成(74) ( 3:47/00:06:57) 41 同 金(72) ( 0:06/00:08:48) 42 9六歩(97) ( 0:16/00:07:13) *やや遅まきながら、当初の予定通りに角の活用を図る。 43 7四歩打 ( 2:57/00:11:45) 44 6六銀(75) ( 0:08/00:07:21) 45 7二玉(62) ( 0:28/00:12:13) 46 9七角(88) ( 0:09/00:07:30) 47 9四歩(93) ( 0:25/00:12:38) 48 7七銀(66) ( 0:29/00:07:59) *変則的な銀の動きだが、6筋の歩を突くためにはやむをえない。 49 8二玉(72) ( 2:14/00:14:52) 50 8六銀(77) ( 0:19/00:08:18) 51 3五歩(34) ( 0:05/00:14:57) *下手の攻めあぐねる状況を見計らって、上手も攻めの陣形を整えてくる。 52 6六歩(67) ( 3:05/00:11:23) 53 3四銀(43) ( 0:08/00:15:05) 54 7七桂(89) ( 0:07/00:11:30) 55 2四角(13) ( 0:07/00:15:12) 56 6五歩(66) ( 0:16/00:11:46) 57 4五歩(44) ( 0:22/00:15:34) *満を持した下手の▲6五歩からの本格的な開戦に、取らずに▽4五歩から逆に攻めてくる。 58 7五歩打 ( 4:48/00:16:34) 59 4六歩(45) ( 0:07/00:15:41) 60 4八金(47) ( 0:11/00:16:45) *▲4六同金は、▽3六歩(金取り)で下手つぶされる。この「巨泉流」の構えでは、このような金引きはポイントといえる。 61 3六歩(35) ( 4:13/00:19:54) 62 6四歩(65) ( 0:50/00:17:35) 63 同 金(63) ( 0:10/00:20:04) 64 6五銀(56) ( 0:03/00:17:38) *下手陣も相当に怖いが、ここから攻めなければどうしようもないところ。 65 4五桂(33) ( 1:45/00:21:49) 66 3六歩(37) ( 0:06/00:17:44) 67 2五銀(34) ( 0:07/00:21:56) *下手の攻めを取らずにいなし手を遅らせ、いよいよ上手の攻め駒が働き出した。 68 7四歩(75) ( 4:31/00:22:15) 69 同 銀(83) ( 0:04/00:22:00) 70 6四銀(65) ( 0:19/00:22:34) 71 同 金(73) ( 0:05/00:22:05) 72 8五銀(86) ( 0:04/00:22:38) *眠っていた角が働く会心の一手。 73 7五歩打 ( 2:10/00:24:15) *当然なことに、上手は大駒を押さえてくるが……。 74 7四銀(85) ( 2:14/00:24:52) 75 同 金(64) ( 0:29/00:24:44) *この局面が下手の勝負どころ。すぐに目につく▲7五角のさばきは、取ってくれればやれそうだが、取らずに攻められても、また▽6四歩と受けられても、下手がまずそうだ。 76 6五銀打 ( 5:45/00:30:37) *飛車取りを放置したまま▲6五銀と打ったのが、局後の感想戦で飯島六段にほめられた手。飛車を取られても、▲7四銀が詰めろのうえ角筋も通るので下手が勝てる。また、▽6五同金▲同桂なら飛車を取られても、次の▲6四角が厳しい。 &読み込み時表示 77 8三銀打 ( 8:21/00:33:05) 78 7四銀(65) ( 0:18/00:30:55) 79 同 銀(83) ( 0:04/00:33:09) *これで上手の金銀が入れ替わった。そのため下手に有効な攻めが生じた。この局面で▲6四金も有力だった。 80 7五角(97) ( 3:42/00:34:37) *下手の角のさばきに、今度は金ではないので、次に▲6四角があるため放置しておくわけにはいかない。 81 同 銀(74) ( 3:53/00:37:02) 82 同 飛(76) ( 0:02/00:34:39) 83 7四歩打 ( 0:13/00:37:15) *もしも▲7四同飛なら、▽8三角の王手飛車がある。 84 4五飛(75) ( 3:01/00:37:40) *自陣も気持ち悪いので、桂を払って次の▲4三飛車成を見たが、実はあまりいい手ではなかったようだ。ここでの本手は、▲6五飛と一つ寄るところだった。その手が▲8三金▽同玉▲6三飛成以下の詰めろであり、上手が受けにくかったのである。 85 3六銀(25) ( 9:58/00:47:13) 86 4三飛成(45) ( 0:08/00:37:48) 87 4七歩成(46) ( 0:28/00:47:41) 88 2八玉(38) ( 0:22/00:38:10) *▲4七同金と取るのもあったが、せっかく成った龍を抜かれそうな気もしたので、下手もやや震えて玉を寄った。 89 7二銀打 ( 1:06/00:48:47) 90 8六桂打 ( 0:14/00:38:24) 91 6四角打 ( 0:22/00:49:09) *この角打ちで上手の玉は、詰めろを逃れているだろうか? 92 1八玉(28) ( 4:06/00:42:30) *もしも上手陣に詰めろがかかっていなかったら、敗因となる玉寄りだったかもしれない。ここは、上手に手が続き気持ち悪いが、それでも▲3七歩がよかったようだ。 93 4八と(47) ( 6:48/00:55:57) *これで下手はほとんど受けなしみたいなもの。 94 7四桂(86) ( 1:40/00:44:10) *とにもかくにも、この桂跳ねから上手玉を詰めに行く。実はこの段階で、私は詰みを読み切ってはいなかった。飯島六段もこのときに気がつき、あとはうまく詰めてくれるのを期待してくれ、何となく詰みをほのめかしてくれた。 95 9二玉(82) ( 6:41/01:02:38) *この玉寄りの一手に、▲8二金から角を取る変化を読むが、だんだんと詰まないことがはっきりしてくる。そこで方向を変えてあらためて読み直し、やっとのことで以下の手順の詰みを発見した。詰将棋ならともかく、実戦心理としては見つけにくいのかもしれない。 96 9三金打 ( 6:59/00:51:09) *角を取るのがダメなら、あとは▲9三金しかない。▽同桂の一手に最初は龍を切ることを考えたが、それは切れてしまうので、以下の詰め手順に至ったのである。 97 同 桂(81) ( 6:01/01:08:39) 98 8三金打 ( 0:05/00:51:14) 99 同 銀(72) ( 0:08/01:08:47) 100 8一銀打 ( 0:03/00:51:17) *金を2枚先に捨てるのが、どうやら盲点になっていたようだ。ここまでくれば、上手の角利きを避けて詰みとなる。 101 同 玉(92) ( 1:44/01:10:31) 102 8三龍(43) ( 0:03/00:51:20) 103 7一玉(81) ( 0:03/01:10:34) 104 7二銀打 ( 0:04/00:51:24) *「なかなかいい実戦詰将棋になっているので、最後まで指しましょう」と飯島六段がおっしゃり、投了が最後の最後までの局面になったというわけである。 *終盤かなり難しかったと思うが、昇級お祝いに贈呈した駒の作者に敬意を表してか、飯島六段にうまく勝たせていただいた「飛車落ち」だったのではないだろうか。 *今年度(2010年)の順位戦でも、飯島六段のさらなる活躍を祈念しています。