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第2回将棋大会・本田指導将棋

2009年4月11日(土曜日)

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本田小百合女流二段指導将棋

指導将棋とはいえ、指し手の手さばきは華麗である。 揮毫が終わってホッとしたのか、思わず笑みがこぼれた。

ご縁があってお願いした指導将棋

 今回の「第2回将棋大会」の催しの一環として、本田小百合女流二段に会場にて指導将棋をお願いいたしました。
 かつて『近代将棋』の取材で拙宅(酔棋宅)に本田さんが訪れてくれたり、「あの駒は今・8.小林宏六段に山の仲間から贈られた駒」(▼別項参照)で小林宏六段と私(酔棋)のテレビ対局のとき、本田さんが聞き手を務めていただいたりと、以前からちょっとしたご縁がありました。
 将棋大会で予選敗退したみなさんや、個展にご来場いただいたみなさんのうちでご希望の方々を、本田さんには三面指し(ほとんどが駒落ち)で指導将棋をしていただきました。たぶん全部で、10局くらいは指していただいたと思います。ほんとうにお疲れさまでした。
 また、将棋大会のA・B級の3位の賞品をはじめとして、会場にて白扇子や色紙に揮毫していただきました(下写真)。ご無理なお願いにこたえていただいたことを、この場を借りてあらためてお礼を述べておきます。

 

白扇子に揮毫していただく

完成した扇子を眺める三上さん。 筆で白扇子に書くのは難しい。

▲画像クリックで拡大
扇子越しの会場内。

 将棋対局のときに、読みの手助けをしてくれるアイテムの一つが扇子です。静寂な対局室に、パッチパッチと独特のリズムを刻む扇子使いを見た方も多いことでしょう。プロのタイトル戦などで、垣間見られる光景です。
 プロ棋士のみなさんは、ほとんどの方が色紙だけでなく白扇に、自らの座右の銘などを揮毫します。ご自分で使うこともあるでしょうが、ファンに使ってもらい喜んでいただくのが主な目的でしょう。ですから、みなさん書道を習ったりもしていて、いずれも個性あふれる字をしたためています。
 駒音や話し声など喧騒があふれる会場にて、本田小百合女流二段に数枚の扇子などに揮毫をお願いしました。その最中でも、本田さんは快く引き受けていただき、集中して一気に書き上げました。
 したためたのは、「切磋琢磨」「楽道」(写真参照)の見事な2種です。ちなみにご存じと思いますが、扇子は右から読みますから「道楽」ではなく、「楽道」となります。もっとも、今回の催しには「道楽」のほうがふさわしいのかもしれませんが(笑い)、それだとちょっと露骨すぎるので、やはり「楽道」がぴったりでしょう。
 さて、書き上げて落款(雅号の印を押す)することになって、本田さんは印を忘れていることに気がつきました。やむをえず、急きょご自宅まで取りに帰りました。大変でしたが、ほんとうにご苦労さまでした。そこで、将棋大会の運営委員長の三上さんが、落款をすることになったのです。これが完成した扇子の写真などに、とりあえず落款がまだされていない一つの裏話でした。
 将棋大会A・B級のそれぞれ「3位」、また指導将棋にて活躍した方に渡す「本田賞」の賞品として、揮毫していただいたこれらの扇子は使わせていただきました。

入れ代わり立ち代わりの指導将棋

本田さんが来場して、みなさんにごあいさつ。 三面指しでは、すべての局面に目配り、気配り。
みなさん後ろ姿とはいえ、真剣な面持ちです。 少年たちもそれぞれ頑張ったが、結果は惜しくも……。

  将棋大会の予選の第2局が進行しているときに、本田さんにはご来場いただきました。対局しているみなさんも、本田さんをご存じの方も多かったようです。なかには、早々と予選を敗退して、本田さんとの指導対局を楽しみにしている方もいらっしゃいました。
 手合いは、二枚落ちから平手までと、対戦するみなさんのお好みで決まりました。一度に三面指しというのは、上手は1人で下手は3人なわけですから、上手の本田さんはじっくり考えてもいられないという感じで、次から次へと手を進めていきます。
 参加資格の原則は将棋大会予選の敗退者でしたが、なかには当日個展に訪れた方々も何人かは指していただきました。対戦者は、それぞれが入れ代わり立ち代わりしながら、本田さんの前で指し手を考える姿は、何ともいえずほのぼのとした雰囲気さえ漂ってきます。
 予選A級で残念ながら2連敗で敗退した樋村さんは、角落ちで本田さんに挑みました(この将棋は、下記から棋譜ページへ)。使った駒は「古印体」の一風変わった書体でしたが、効果的な再度にわたる桂打ちで、下手・樋村さんが見事に寄せ切りました。その栄誉をたたえて、樋村さんが本田賞の扇子を獲得しました(下記参照)。


本田女流二段指導将棋から(角落ち戦・樋村四段勝ち)
棋譜は▼棋譜ページへ
※棋譜ページを開いて、「16.樋村VS本田」戦を選択してください。

読みにふける樋村さん。

満面の笑みで、本田女流二段から賞品の扇子を受け取る樋村さん。


その後の思わぬ展開

 指導将棋も一通りすんで一段落し、そのときに展示してある駒をご覧になって、「巻菱湖(第300作)」の書体を本田さんはどうやら気に入ったようでした。
 その様子を見た三上さんが、「増山さんに作ってもらいなよ!」と私にけしかけます。また、北田さんも「駒木地を作ってあげるから、増山さん作ってあげなよ」とさらに追い打ちをかけてきます。といった私の思わぬ展開で、結局私が「巻菱湖書盛り上げ駒」を新たに作って、本田さんにプレゼントすることになりました。
 すでにその駒は2009年7月に完成し、本田さんに差し上げました。その節に、「駒贈呈のお祝いの会」も合わせて催しましたので、その模様は「作品ライブラリー・巻菱湖赤柾盛り上げ駒(第316作)」(▼別項参照)に掲載しています。

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