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眞玉書島黄楊板目盛り上げ駒・潜龍作
(三上 勉氏所蔵)


別カット

横書きされた「錦旗」の「潜龍作」駒銘。

「眞玉」の「玉と歩」。盛り上げの感じは静山作そのものだ。

 「眞玉」という書体は一応知ってはいたが、実物を拝見するのはこの駒が初めてだった。
 作者の「潜龍」とは、東京新橋の老舗「中村碁盤店」で売られている一種のブランド名で、駒マニアには「中村潜龍」として知られている。このような盛り上げ駒だけではなく、かつては彫り駒も販売されていた。
 駒のネットオークションでおなじみの「トーシン」のHPに、作者「潜龍」と書体「眞玉」について書かれているところを抜粋して、下記に紹介する。

 ――「中村潜龍」の駒は盛上駒を名工金井静山が、彫駒を初代大竹竹風が実際は制作していました(多数説)。潜龍銘の彫駒はなぜか戦後は作られておりません。
  書体は「眞玉」、中村潜龍の独特の書体で他の作者には製作を許しませんでした。眞玉は先代中村潜龍の習字の師匠で、その縁で駒字を書いていただいたものと聞いています。ちなみに「潜龍」は雅号で、眞玉先生に付けていただいたようです(中村碁盤店当代談)――

 以上のように書かれているところから、 この「眞玉」は金井静山(▼別項参照)の作と思われる。通常、「潜龍作」の駒銘は、上写真の「錦旗」の駒銘のように横書きされたものが多く見受けられる。ところがこの「眞玉」は、普通の駒銘(縦書き)で作られている。書体の「眞玉」の由来については、先の抜粋を参考にしていただきたい。書体そのものの特徴としては、これといって際立ったところがないのが逆に特徴といえるのかもしれない。この書体も、いずれ『酔棋字母帳』に加えておくつもりだ。


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