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金光黒柿彫り駒・金光作
(石井良明氏所蔵)


「金光」の「玉将と歩」。 この駒が入っていた桐の駒箱。

 今回取り上げた駒「金光」は、黒柿に白色漆で作られた風変わりな彫り駒だ。かなり読みづらいが、駒銘を見ると「金光刀」とあるから、天童の駒師・金光が作った駒であるのは確かなようだ。 ただし、だからといって、この駒の書体が「金光」とはかぎらないが、一応「書体不詳」ではなく「金光」としておいた。黒柿は通常は高級駒箱や駒台に使われるもので、駒になったものは非常に珍しい。
  この駒が入っていた駒箱には、写真を見ると「今上陛下 御嘉納大和駒 天下一品大和駒元祖 七十六翁金光刀 山形懸天道町」と書かれている。駒師・金光についても詳細はあまりわからないが、ネットで検索したところ「天童佐藤敬商店」のHPには「彫駒は大正の初期天童の武内七三郎氏が東京で奥野一香から技術を学び、帰郷後、天童で製造したのがはじまりで、その後、印章師だった三河金光翁などが彫駒に転向、武内、三河両氏によって天童の彫駒が伝えられた」とある。
 そのあたりから考えられることは、もともとは天童で印章師だった三河金光翁がこのような駒を作っていた思われる。駒箱に書かれた「今上陛下 御嘉納大和駒」の他にも、「献上駒」とかも実際に拝見したことがあるから、皇室に作った駒を献上していたのかもしれない。「初代・金光」の他に「二代・金光」もいたようだし、「金光」とは一種のブランドでもあったようだ。
 同じく「駒関連資料館・14 書体不詳島黄楊板目彫り駒・金米作」(▼別項参照)をご覧いただくとおわかりのように、そこに掲載している「金米」とは、「金光一門」とあるから、弟子たちも何人かいたのかもしれない。
 つい最近のことだが、この駒の所蔵者に先の「金米」の作った駒を依頼されたので、近々その彫り駒を作って「作品ライブラリー」に掲載する予定でいる。

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駒の詩