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黒檀盛り上げ駒/酔棋盛り上げに作り直し
(山中善明氏所蔵)

元となった黒檀彫り駒。駒字そのものもかなり見にくくなっている。

 

下写真は、彫り駒にサビ漆(白色漆ととの粉を混ぜた)で、彫り埋めにした「飛車と龍王」だ。からくも駒字が読める程度の状態である。その後、拭き漆を何度か施し、白色漆で盛り上げた(上写真)。

 駒の素材として、外材(黒檀・紫檀)が入ってきた当初は、黄楊よりもむしろ高かったとされる。その時代、幕末から明治期にかけて作られたと推測できるのが、元の素材となった、「黒檀彫り駒」(上の写真)である。駒字そのものやその汚れ具合など、見るからに古さを醸している。
 この彫り駒には、白か赤の漆が使われていたようだが、摩耗したり傷ついたりして、駒字もすっかり見えにくい状態であった。このままにしておいては、使うのに使えずせっかくの駒も台無しである。そこで、思い切って私(酔棋)が彫り駒を盛り上げ駒(上段の写真)に、リニューアルしたというわけだ。
 さて、盛り上げることになり駒字をよく見てみると、似たような書体はないことはないのだが、通常の残されている書体とはかなり変わっている。どちらかというと、天童に伝わる楷書体に近い雰囲気だ。実際には、どちらが先かはわからないが、もしかすると何らかのかかわりがあるのかもしれない。
 画像では判別しにくいと思うが、新たに研磨し拭き漆を施して磨き直してみると、本来の黒檀の木味も浮き出てきた。どこまで修復できたかというより、この駒をどこまで現代に甦らせることができたかは、みなさんの判断に任せたい。今回のような試みも、駒を作りつづける者にとって、一つのチャレンジであることには変わりがない。
 結局この駒は、私は彫ってはいないから私の作とはいえないので、「酔棋作」とはせずに駒銘を「酔棋盛上」としたのである。

 

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駒の詩