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書体への誘い 24 小百合書<さゆりしょ>


別カット

小百合書島黄楊上柾書き駒
酔棋作(第416作)
本田小百合氏所蔵

※「フォトライブラリー」に行って、「▼書体への誘い」の416を見ると、もっと大きな写真が見られます。

女流プロ棋士の書体「小百合書」

「玉将・王将」に+「玉将」の3玉に。 「玉将・王将」の裏に入れた。

 「小百合書」の由来や作った経緯などは、下記の「『小百合書』の由来」をご覧いただくが、女流プロ棋士の本田小百合女流三段の書だ。
 「島黄楊上柾」の上品な駒木地に、私(酔棋)の得意な「酔棋流書き駒」(▼別項参照)で作った。ちょうど余分な駒木地もあったので、左に掲載したように「3玉」にし、「王将の裏」には本田三段の息子さんのお名前、「玉将の裏」には息子さんが好きなアンパンマンを、彫り埋めで入れた。
 女性の書らしく、全体的には柔らかく優美な印象だが、やはり日々の勝負にまみえるプロ棋士の書なので、優しさの後ろに厳しさも垣間見えてくる。
 私の「将棋・駒人生」において、これまでに何かとご縁があり、このHPでも本田三段は何回か登場している。
 初めての出会いは、かなり以前で『将棋マガジン』という雑誌で、取材で拙宅にいらしたのが始まりだ。その後、私の個展「第3回個展メモリアル」(▼別項参照)にいらしてくれたり、「第2回『駒の詩』将棋大会」(▼別項参照)で指導将棋を務めてていただいたこともある。また、私が『お好み将棋道場』(「あの駒は今・8.小林宏六段に山の仲間から贈られた駒―飴色の駒の後ろに仲間がいる 」▼別項参照)に出場したときには、本田三段(当時は二段)に聞き手を務めていただきインタビューも受けた。
 以上のようなご縁から、本田三段に酔棋作の駒「作品ライブラリー・巻菱湖書中国黄楊赤柾盛り上げ駒(第316作・▼別項参照)、水無瀬書中国黄楊虎斑書き駒(第355作・▼別項参照)」を差し上げ、使っていただいている。

■「小百合書」の由来

 上に書いたようにこれまで本田三段と私は、数々の「将棋や駒」で交流があった。その中で、たびたび色紙などもいただくことが多く、本田三段の書は「駒の書体になるのでは」と私は感じるようになった。そこでその旨を本田三段に伝えると、幼いころには書を習っていたこともあるという。その後、「それではやってみましょう」ということになり、今回の新しい駒の書体「小百合書」が実現することになったのである。
 書体が第一段階が完成し、本田三段にPDFデータで見ていただき、一部手直しして今回の「小百合書」は完成した。そのときに書体名をどうするかということになり、本田三段にうかがったのだが、「『小百合書』のままでいきましょう!」ということで、それに決定したのである。

新しい「小百合書」を手に、本田小百合女流三段

   2017年の初めに、本田三段自身が一字一字の駒字を半紙にしたため、持参していただいた。これらの駒字を吟味して、「将棋駒研究会」会長・北田義之氏と私と2人で、意見を集約しながら、パソコンでデータにし、徐々に駒の書体として練り上げていった。
 実際のそれらの工程は、サンプルとして掲載した下の「歩兵」の図版をご覧いただきたい。 


 まずは半紙に書かれた駒字を厳選し、それをパソコンを駆使してでデータにし、たとえば下図のように「歩」と「兵」のそれぞれの駒字を組み合わせて書体とした。下図の場合は、「歩B」と「兵A]を組み合わせて、今回の「歩兵」が完成したのである。もしも逆に「歩A」と「兵B」なら、まったく異なったイメージの「歩兵」となることだろう。このような作業をすべての駒字で繰り返し行うのだから、一つの駒の書体を作るということはかなり面倒なのである。
 駒が完成しお渡ししたら、本田三段ご自身にもとても気に入っていただき、作った私としてもまずはホッとしたのである。ちなみにこのようにハナから新しい書体を作ったのは、この「小百合書」で2作目である。最初に作った書体は同じ「書体への誘い・19森内名人書」(▼別項参照)である。新しい書体を作るのは、プロ棋士をはじめとする著名人だけでなく、書に自信のある方ならどなたでもかまわない。もしもそのようなお考えのある方は、酔棋まで相談していただきたい。


新しい駒「小百合書」での記念対局


 これまでも、機会があれば本田三段とは対局させていただいている。そこで今回も、新しい「小百合書」で、記念対局を指していただくことになった。
 下に掲載した写真は、その序盤の盤面と対局棋譜である。興味のある方は、並べてみていただきたい。戦型は「横歩取り」で、勝負は言うまでもなく私がきれいに負かされた。新しい「小百合書」は、作った者より書の主であり所蔵者となった本田三段を選んだのだろう(笑)。
 対局後は、棋譜をとっていただいた駒友の橋浦洋一氏と3人で、近くの居酒屋で最近の「藤井ブーム」をはじめ、将棋談議に花を咲かせた……。

▼盤面拡大 ▼棋譜拡大

 

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