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大山名人書中国黄楊赤柾書き駒
第411作(福山 聡氏
所蔵)


別カット

左後手・増山VS右先手・福山の記念対局。

仕掛けの局面。▼局面拡大

 

「玉・歩」のアップ。赤柾がよくわかる。

 2016年10月に開催した「酔棋制作駒『第4回個展』―たかが駒、されど駒―」(▼別項参照)のときに、この「大山名人書」を依頼された。これまでに作った「大山名人書」を私(酔棋)の「作品リスト」で調べてみたら、初期のころに「彫り駒(1989年)」「彫り埋め駒(1990年)」の2作があった。それ以来だから、実に27年ぶりということになる。
 依頼者であり所蔵者となった福山さんは、「将棋駒研究会」に昨年くらいから参加するようになった会友でもある。そこで、会長の北田さんからこの「中国黄楊赤柾」の駒木地を購入し、私に依頼したものである。福山さんが選んだ製法は、すっかりみなさんにもおなじみとなった、「酔棋流書き駒」(▼別項参照)だ。駒が完成してみると、「玉・歩」(左写真)のように「赤柾」と「駒字」の両方が、邪魔をしないで双方際立って見える。つまり、書体と駒木地がマッチしているということだ。
 ちなみに、福山さんは大山康晴十五世名人が好きなだけでなく、この書体「大山名人書」も好きで、作者は違うが他にいくつか所蔵しているとのことである。書体の「大山名人書」の由来は、その名称からもすぐわかるように、将棋界の巨星・大山康晴十五世名人(1992年没)だ。山形県の駒師・香月(1988年没)が、駒の書体として完成させたのが始まりである。
 2017年3月の「将棋駒研究会」の例会時に、この「大山名人書」を完成させ、福山さんにお渡しした。その節に、完成した駒に将棋を教えるという一つの儀式(魂入れ)として、新たな所蔵者と一局記念対局を指すことにしている。駒は新しいのだが、例会会場の盤は見るからに古く相当に傷んでいてもここでの対局ではやむをえない。上写真の対局光景と局面(拡大できる)が、その一コマだ。先手の福山さんは「ノーマル三間飛車」、対する後手の私は「居飛車・米永玉」。私の▽4四歩のジャブに▲5五歩と突き出したところ。以下強気の▽同銀に難解の局面になる。その後、私が指せる展開になったようだが、お決まりの疑問手が出て、福山さんの勝利となる。
 新しい「大山名人書」も、所蔵者の勝利を喜んでいたようだった(笑)。

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