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阪田好島黄楊柾目彫り駒
第409作(大内 修氏
所蔵)


別カット

「龍王・飛車」裏字の筋彫り。

「龍馬・角行」

 2016年10月に開催した「酔棋制作駒『第4回個展』―たかが駒、されど駒―」(▼別項参照)のときに、依頼された駒の一つがこの「阪田好」である。これからしばらくは、そのときの依頼作を完成次第、この「作品ライブラリー」に順次掲載していく。
 先の個展のときに、所蔵者からお借りし展示していた「阪田好島黄楊柾目彫り駒(第371作)」(▼別項参照)を実際にご覧になって、上写真の「阪田好(第409作)」を新たに依頼された。展示していた駒は「絹柾」であったが、今回の駒木地は「島黄楊柾目」、その違いはあってもほとんど同じく仕上がったと思う。
 「阪田好」の書体の由来などは、「書体への誘い・阪田好」(▼別項参照)をご覧いただきたい。そこに掲載している酔棋作の駒は、「阪田好」としては珍しい盛り上げ駒だ。本来この「阪田好」は、そもそも原本となった駒も彫り駒だから、盛り上げよりも彫り駒のほうがいいと思われるが、かつて遊び心で盛り上げ駒をいくつか作ったことがある。
 この「阪田好」の特徴としては、何といっても裏字の「筋彫り」であろう。上写真の「龍王・龍馬」をご覧いただきたい。このような筋彫りをするときは通常の印刀ではなく、駒銘を彫るときに使うかなり細い印刀で彫るのだ。その作業は細かいところが欠けたりしかねないので、彫るのに結構神経を使う。また、漆を入れるときにも筋彫りのところに漆が埋まって彫り埋めにならないように、慎重にしなければならない。
 数ある書体の中で、どちらかというと手間のかかる書体の一つかもしれない。とはいえその面倒そのものが、また魅力ともいえる不思議な書体だ。

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駒の詩