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三田玉枝アマラ黒檀拭き漆仕上げ書き駒
第408作(石井良明氏
所蔵)


別カット

「玉将・歩兵」白色漆の盛り上げぐあい。

左は拭き漆を施し、右は研磨した状態の駒木地。

 この「三田玉枝」の駒木地となった「アマラ黒檀」は、インドネシア産でカキノキ科の落葉高木だ。依頼者が、ネットオークションで落札した持ち込みの駒木地である。
 これまでよく作ってきた通常の黒檀や紫檀と比べると、やや導管が太いためなのか、少し穴が目立つ。これらの駒木地で「書き駒」を作る場合、サンドペーパーで段階的にに研磨してから、サビ漆で導管の穴を埋め、拭き漆を数回施す(上写真右の駒木地を参照)。それから駒字を転写し、やっと「書き駒」の盛り上げ作業に入れるのである。だから、通常の「書き駒」よりも、かなり手間もかかる。
 同じような工程を経て作った「書き駒」としては、同じ「作品ライブラリー」に「無劍書紫檀拭き漆仕上げ書き駒(第245作)」(▼別項参照)や「英朋書紫檀拭き漆仕上げ書き駒(第397作)」(▼別項参照)などがあるので、見比べていただきたい。
 書体の「三田玉枝」については、「第2回酔棋制作駒オークション・三田玉枝彫り駒(第232作)」(▼別項参照)以来の制作である。それまでにもこの「三田玉枝」は数作しかないから、私としては比較的珍し書体といえよう。ただし、同じ「作品ライブラリー」にある「三田玉枝槐柾目拭き漆仕上げ書き駒(第366作)」(▼別項参照)は、今回の「三田玉枝」とは異なった別バージョンの書体である。詳細はそちらをご覧いただきたい。
 依頼者の石井さんには、このような駒木地の篆書の書体の「書き駒」や「彫り駒」を他にも作らせていただいている。これも、駒収集のおもしろい方法なのかもしれない。石井コレクションの充実にお手伝いができることは、制作する側としても実にありがたいことであり、また駒作りするにあたって一つのチャレンジでもある。

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駒の詩