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水無瀬書島黄楊虎斑書き駒
第402作(橋浦洋一氏
所蔵)


別カット

やや茶褐色を帯びた漆の盛り上げぐあいを感じてもらう。

 今回紹介するのは、依頼されることも多く比較的私(酔棋)がよく作っている「水無瀬書」だ。とはいえ、通常私がよく作っている「水無瀬書」、たとえば代表作である「水無瀬書島黄楊紫雲虎斑盛り上げ駒(第150作)」(▼別項参照)とは、実は異なった書体なのである。
 つまり、第150作の「水無瀬書」は宮松影水作(▼別項参照)の書体をもとにしていて、今回の上記の第402作の「水無瀬」は金井静山作(▼別項参照)をもとにしているのだ。今回のほうが、筆のハイリやトメなどが全体的にやわらかみを帯びた「水無瀬書」になっている。それが静山作の特徴で、そのあたりをご覧いただいておわかりいただけるだろうか? 先にふれたそれらの特徴がお好みで、この「水無瀬書」で依頼者は注文してきたのである。駒マニアのお好みは、同じ書体でもそれぞれ違ってくるところは、実に興味深いことだ。ちなみに、今回の静山作をもとにした「水無瀬書」は私にとって2作目となる。同じ「作品ライブラリー・水無瀬書島黄楊斑入り柾書き駒(第338作)」(▼別項参照)に掲載しているものが、初作であった。
 今回の「書き駒」に使った漆は、私がお好みでたまに作る「朱合漆+呂色漆」(上写真参照)のブレンドである。このようにすると茶褐色を帯び、古色の感じに仕上がるのだ。これも依頼者のお好みで、以前作った「書体への誘い・芳雨書島黄楊斑入り柾書き駒(第383作)」(▼別項参照) も、同じブレンド漆であった。このように、「書体・駒木地・製法」に加えて、「漆」までお好みにしたくなるのも駒マニアのおもしろい性質なのかもしれない。イージーオーダーの駒作りをめざしている私としては、なるべくそれらの要望にこたえるようにしている。
 なお、2016年10月15日・16日に予定している私の個展「たかが駒、されど駒」に、この「水無瀬書」も参考出品作としてみなさんに見てもらうことにしている。

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駒の詩