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長録書島黄楊杢彫り駒
第392作(山口 亮氏
所蔵)


別カット

「玉将と歩兵」の彫りと漆の感じ。
 この「長録」の駒木地は、依頼者の持ち込みで作った。昨今では駒木地のネットオークション出品なども行われているようだし、また駒木地を頒布しているサイトなどもあるようで、かつてよりはずっと手に入りやすくなってきたようだ。
 ただし注意しなければならないのは、それらで購入する駒木地の精度である。写真で見るだけでは、大きさや厚さが不ぞろいであることは見抜くことはできないからだ。たとえば「桂馬」の1枚だけ厚さが薄い場合など、余分な駒木地があればそれで作れるが、たいていは余分な駒木地も入っていないことが多いので、やや薄い「桂馬」の駒木地に合わせて作るしかないのである。とはいえ、最近ではそれらの精度もかつてに比べるとかなりよくなってきた。もしも、ネットで駒木地を手に入れる方は、そのあたりのことを十分に注意して購入を考えていただきたい。
 ちなみに今回の持ち込まれたものはなかなかいい感じの「島黄楊杢」で、駒木地で見たときよりも仕上がったほうがよりよくなった気がする。これならば、依頼者にも喜んでいただけるにちがいないだろう。また、駒木地そのものが通常私が作っているものよりもやや大きかったので、字母紙そのものも自体も少し大きい102%にして作った。だから全体のバランスもよくなっていると思われる。『酔棋字母帳』に収載している字母紙は、他にも書いているからご存じとことと思われるが、すべてパソコンでデータ処理しているため、大きさや太さを変更したりするのは、比較的自由に行えるのである。
 今回の彫り駒の制作にあたっては、ここのところマイブームで使っていた朱合+呂色漆のブレンドではなく、盛り上げにも使っている通常の呂色漆のみを使用した。これは、もちろん依頼者のお好みである。私がひそかに思っているイージーオーダー感覚の駒作りが、駒の依頼者にもかなり浸透してきているような気がしている。このように依頼者のお好みを反映して駒が完成すると、これから先も長いこと大切に使っていただけることだろう。

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駒の詩