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巻菱湖書島黄楊赤柾盛り上げ駒
第385作(上枝 徹氏
所蔵)


別カット

彫りの「玉将・歩」。 彫り埋めの「玉将・歩」。 盛り上げの「玉将・歩」。

  少し調べてみたら、今回の「巻菱湖」はほぼ1年ぶりとなる盛り上げ駒だ。最近では「書き駒」や「彫り駒」、それに「彫り埋め駒」という順で、盛り上げ駒の依頼が極端に少ないような気がする。世はアベノミクスとやらで景気はいいはずだが、駒界にはそれはまだ及んでいないようだ(笑い)。
 高級駒木地の一つとされる「赤柾」だ。赤くくっきりとした柾目を見ると、駒木地の状態だけでもいい駒になる予感がした。この「赤柾」に、依頼者が選んだ書体は「巻菱湖」。プロ棋士のタイトル戦などでもよく登場するから、駒マニアにかぎらず人気もありよく知られた書体だ。書体の由来などは、「書体への誘い・巻菱湖」(▼別項参照)をご覧いただきたい。
 他のページをご覧いただいておわかりのように、「巻菱湖」はほとんどいっていいくらいいろいろな駒木地で作ってきた。このHPの巻頭に掲載している「虎杢」をはじめ、「虎斑」「赤柾」「孔雀杢」などの高級駒木地はもちろんのこと、通常の柾目でも十分そのよさは伝わってくる。つまり、さまざまな観点からも、「巻菱湖」は万能な書体の一つといえよう。
 すぐ上に掲載した3つの写真は、この駒が完成するまでの流れを簡単に表している。私(酔棋)の制作工程は、「酔棋流駒の作り方」(▼別項参照)をご覧いただければおわかりだと思う。つまり、「彫り駒」の先に「彫り埋め駒」があり、「彫り埋め駒」の先に「盛り上げ駒」がある、というコンセプトで駒を作ってきた。だから、「彫り駒用」の「彫り」とか、「盛り上げ用」の「彫り」とか区別はしていない。たとえば彫りの工程がが終わって漆を入れれば「彫り駒」となり、彫り埋めの工程が終われば「彫り埋め駒」となるのである。それぞれの工程が終わり、仕上げの磨きなどすれば、そこでそれぞれ駒が完成となるのである。

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駒の詩