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関根名人書島黄楊上柾目書き駒
第376作(佐藤 裕氏
所蔵)


別カット

上写真は、今回の「玉将と王将」。静山作が基となっている。下写真は、龍山作の「玉将と王将」だ。

 比較的そろいがよく、くっきりとした柾目で制作した「関根名人書島黄楊上柾目書き駒」である。この書体の由来や来歴、または関根金次郎十三世名人については、「書体への誘い・関根名人書」(▼別項参照)をご覧いただきたい。先のページに掲載している「関根名人書ブライヤー杢盛り上げ駒(第138作)」と「同じ感じで作ってほしい」とういうのが、依頼者のご要望だった。
 1936年(昭和11年)、将棋界の大同団結とされる「将棋大成会」が創立された。その記念に、関根名人が龍山(「名工の轍・豊島龍山」(▼別項参照)に依頼し、駒を作らせたのがこの書体の始まりである。そのページに掲載している「関根名人書」(▼参照)が、その記念の駒の一つで王将の裏に彫られた文字の中で、「冠峰山人寄贈」(▼参照)の冠峰山人とは、大同団結に尽力した小菅剣之助名誉名人のことだといわれている。
 数年前に、今回の静山作「名工の轍・金井静山」(▼別項参照)を基とした「関根名人書」から、先に解説した龍山作を基に字母紙に作り直していた。左写真の上が今回の「玉将と王将」で、下が龍山作の「玉将と王将」である。全体的にやわらかく表現されているのが上で、筆の入りなどが鋭いのが下である。また、「玉将」の「将」のハライ(の箇所)などが少し異なっているのも特徴である。
 今回の依頼者のように、人それぞれによって好みなども違ってくるところも、駒の書体のおもしろいところでもある。

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駒の詩