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三田玉枝槐柾目拭き漆仕上げ書き駒
第366作(石井良明氏
所蔵)


別カット

『豊島字母帳』には「玉枝」と書かれている。 董齊書島黄楊板目盛り上げ駒・豊島龍山作

 この「三田玉枝」を依頼した方は、同じ「作品ライブラリー」に掲載している「無劍(第354作)」(▼別項参照)を皮切りに、これまでに「寉園(第359作)」(▼別項参照)、「篁輝(第362作)」(▼別項参照)といった隷書・篆書の駒を、黄楊も含め変わった駒木地(今回は槐「えんじゅ」)でも作られた。これで4組となり、書体や駒木地についての風変わりな駒マニアといえるだろう。
 歴代の名工の作を集めるいわゆる駒収集家から、このように書体や駒木地に一種のこだわりをもって集める収集家まで、実にいろいろな方々がいらっしゃるのである。今回の依頼者のような方も、ひとつ駒の楽しみ方にはちがいないのだ。ちなみにこの駒が完成し受け取りにいらしたときに、今度は「阪田好」の彫り駒を注文してお帰りになった。
 今回の「三田玉枝」は、私(酔棋)としても初めての作であった。これとは別書体になる、第2回オークションに出品した通常の「三田玉枝(第232作)」(▼別項参照)は、数組作っている。また不思議なことに、ここで紹介している「三田玉枝」は、私がかつて取材した「天童市将棋資料館」には、豊島龍山作(▼別項参照)で「董齊」(上写真右)という書体名で、この書体が収められていたのである。
 それでは、この書体名は「董齊」が正しいのであろうか? ところが、残された『豊島龍山字母帳』(上写真左)には、たしかに「玉枝」と書かれているのである。そこで、私は『酔棋字母帳』を作るときに、この書体名を「三田玉枝」の別バージョンとして収載したのだ。ここに掲載した資料の他に、もしも別な新たな資料が見つかれば、この書体名を直すことも考慮に入れている。

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駒の詩