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無劍書島桑拭き漆仕上げ書き駒
第354作(石井良明氏
所蔵)


別カット

拭き漆をする前の島桑の駒木地。

 島桑の駒木地「酔棋制作駒・駒木地リスト」(▼別項参照)で、しばらくぶりに今回依頼されたので作ることになった。「作品ライブラリー・酔棋好島桑拭き漆仕上げ盛り上げ駒(第260作)」(▼別項参照)は、同じく島桑で制作した盛り上げ駒(浅葱色漆使用)だが、島桑で作るこの2作目は、白色漆(といっても仕上がりはアイボリー)で書き駒にしたというわけだ。
 黄楊以外の駒木地の場合、木味や木目をより強く出すために、拭き漆仕上げをすることがある。もちろん依頼者のお好みでもあるが、黄楊以外だけにするのは制作者の私の好みといってもよいかもしれない。左写真は、「島桑」の拭き漆をする前の駒木地である。今回は拭き漆に使ったのは「朱合漆」で施したが、「梨子地漆」でもOKである。
 また今回の書体「無劍」は、私がよく作る「無劍」とは少し異なっている。というのは、同じ「作品ライブラリー」の「無劍書紫檀拭き漆仕上げ書き駒(第303作)」(▼別項参照)や「無劍書島黄楊虎斑盛り上げ駒(第340作)」(▼別項参照)などは、「書体への誘い・無劍」(▼別項参照)でも取り上げているとおり、宮松影水作(▼別項参照)が原本となっている。
 ところが、今回は依頼者がぜひ豊島龍山作(▼別項参照)を原本に作ってほしいという依頼なので、「豊島字母帳」や過去の作品などからあらためて字母紙を起こして作ったものである。最近はこのように、「同じ書体でも○○作を原本に」という依頼も多くなってきた。私自身も、同じ書体でもバージョンをいくつか作るのも、資料のひとつだと考え字母紙を新たに制作することがある。
 こうやって完成させてみると、影水原本よりはやや地味だが、これはこれで「無劍」の魅力を十分に引き出しているのでは、と思えてきたから不思議である。もっとも、もとはといえば龍山が大本なのであるから、当然といえるのかもしれない。

 

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