- 酔棋

駒のことなら何でもわかる!!

トップ 作り方 作品 フォト オークション 情報室 書体 名工 資料館 BOOK メール・問い合わせ

巻菱湖書島黄楊虎斑盛り上げ駒
第326作(中村明夫氏所蔵)


別カット

素彫りの状態の「玉将」 彫り埋めの状態の「玉将」

盛り上げの状態の「玉将」


増山(先手/下)VS中村(後手/上)戦、銀冠に組み換える瞬間に仕掛けられ、後手の勝局に。
 中村さんご自身が、木地師に頼んで購入した駒木地により、制作を依頼される。派手さはそれほどではないが、明るい駒木地でそこはかとない上品さを醸し出している虎斑だ。実戦で使えば使うほど、味わいが増してくるような気がする。
 かなり昔の話だが、私が『NHK将棋講座』で駒のシリーズを連載(▼別項参照)していたとき、自らの紹介記事に「巻菱湖虎杢盛り上げ駒(第170作)」(「駒景色」1997年3月号)を掲載した。当時、中村さんはそれを読んで、いつかこのような駒が欲しいと思ってくださったという。その思いが、今回の駒依頼への源流となっていたようだ。
 「虎斑の巻菱湖」は私(酔棋)自身もかなり制作してもいるし、また頼まれることも多い素材と書体といえる。同じく「作品ライブラリー」にも、いくつか「虎斑(虎杢)の巻菱湖」は掲載しているので、合わせてそちらもご覧いただきたい。
 この「巻菱湖」が完成し、拙宅まで中村さんにいらしていただいたとき、記念としてこの駒で一局指すことになった。中村さんはアマ五段の強豪、そこで私が先手で指すことに。その対局の仕掛けの局面が、左の写真である。好機をとらえた後手の仕掛けで、少し難しいところもあったようだが、右玉の中村さんの完勝で終わった。
 これからは、中村さんの駒コレクションにこの「巻菱湖」も加わったことになる。もしも機会があったなら、数年後くらいにでも中村さんが数々の実戦や棋譜並べで育てあげた「虎斑の巻菱湖」にお目にかかることを、制作者として楽しみにしている。

 

「作品ライブラリー」トップに戻る

トップへもどる
駒の詩