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水無瀬書島黄楊柾目盛り上げ駒
第325作(斉藤昭雄氏所蔵)


別カット

「玉将」の彫り 「玉将」の彫り埋め 「玉将」の盛り上げ

駒を収める平箱に、退任記念を書かせていただいた。
 この作品の制作依頼をされたのは、所蔵者のご本人ではない。以前、私の作品を個展のときにご購入いただいた方が、ご自分の恩師のために制作を頼んできたのである。
 新たに所蔵者なられた斉藤昭雄教授は、成城大学の将棋部の顧問で2011年3月に定年により退官されました。その大学のOB会である「成棋会」のみなさんに頼まれて、先ほどの方がこの駒を依頼してきたというわけである。2011年3月5日、6日に斉藤先生の退職記念大会が熱海で行われ、その際にこの「水無瀬」を贈られ、斉藤先生は大変感動し喜んでいただいたという。先生は無類の将棋好きとのことであるから、この駒が先生のこれからの将棋ライフのお役に立てば、作った私(酔棋)としてもこの上ない喜びといえよう。
 この駒を収めた平箱(左写真)に、贈呈の詳細などを書かせていただいた。ただし、実をいうとこれを書いたのは私ではない。悪筆の私では、記念の平箱を汚すことになると思い、依頼者にお断りして「将棋駒研究会」の会長・北田義之さんにお願いして書いていただいたのである。
 「水無瀬」は、私の代表作となる「水無瀬書紫雲虎斑盛り上げ駒(第150作)」(▼参照)をはじめ、好きな書体でもあり得意にしている書体の一つでもある。書体そのものについては、別項「書体への誘い・水無瀬」(▼参照)をご覧いただきたい。
 将棋好きならば、愛用の駒で指したいと思うのはどなたでも同じだろう。ときには今回のように、将棋好きの方に駒を贈って喜んでいただくというのも、それはそれで味わい深くていいものだと感じた。師弟の交流に、この「水無瀬」が少しでもで役立てば、作者冥利に尽きるというものだろう。

 

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駒の詩