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巻菱湖書島黄楊根杢盛り上げ駒
第320作(飯島栄治氏所蔵)


別カット

素彫りの状態の「玉将」 彫り埋めの状態の「玉将」

盛り上げの状態の「玉将」


飯島六段からいただいた詰将棋の色紙。解いてみては?
 2009年の年末に、駒制作依頼のためプロ棋士・飯島栄治六段が私の駒友・三上勉さん一緒に拙宅に訪れたことは、同じ「作品ライブラリー・龍山安清(第318作)」(▼別項参照)でもふれたことだ。また、先に依頼を受けたこの「巻菱湖」が、もちろん先に完成したのに制作番号(第320作)が多くなっている、ちょっとした謎もそちらで読んでいただきたい。
 私(酔棋)が作った「駒字母帳」(パソコンを駆使して制作した約50種類)を、飯島六段はしばらく眺めて、悩んだ末に選び出したのが「巻菱湖」であった。ついで駒木地も、数ある中から大ぶりの「根杢」を飯島六段は選定した。もちろんプロ棋士なので、一介の駒マニアなどとは飯島六段は違うわけだが、書体や駒木地を選んでいるときの悩むそのなんともいえない表情は、通常の駒好きとそんなに変わるものでもなかった。おそらく、将棋を覚えたての幼いときに駒に初めてふれたことでも、飯島六段は脳裏に浮かんでいたのかもしれない。
 「巻菱湖」は、中原誠十六世名人が好きな書体であることは知られているように、駒好きのみならずプロ棋士の間でも人気のある書体である。その書体の由来は、「書体への誘い・巻菱湖」(▼別項参照)ご覧いただきたい。
 この駒依頼で飯島六段は、やや派手な「根杢」の駒木地に「巻菱湖」の書体というコーディネートをしたわけである。私が言うのは少しおこがましいが、もしもこの「根杢」をお譲りしなかったら、もともと「巻菱湖」を作ろうと私も考えていたので、その飯島六段センスのよさに感服したのだ。
  これまでにも派手な駒木地で作ってきた数々の「巻菱湖」(以下参照)と見比べてみても、今回の「根杢」もけっして負けてはいないだろう。「巻菱湖」という一つの書体のいろいろな表情を見るのも、ときにはおもしろいのではないだろうか。
 ――薩摩黄楊縮み杢(第199作・▼参照)、薩摩黄楊向日葵杢(第235作・▼参照)、島黄楊虎杢(第285作・▼参照)、島黄楊虎杢(第300作・▼参照)、中国黄楊赤柾(第316作・▼参照)――

  飯島六段が、2010年2月に昇級した話を含む「飯島六段昇級のお祝いの会・お祝いの駒記念対局」(2010年6月1日)については、上記と同じく別項「龍山安清」をご覧いただきたい。その会は私の駒友・三上勉さん主催によるものであり、飯島六段(上手)との記念の駒落ち戦「増山VS飯島(使用駒・龍山安清)」が行われた。

 

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駒の詩