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寉園書島黄楊柾目彫り駒
第306作(樋村和己氏所蔵)


別カット

 

「玉将」のアップで、漆の枯淡の味の雰囲気がわかるだろうか。
 以前もらった駒木地が手元にあったのをきっかけに、この「寉園」の彫り駒を作った。先の駒木地とは、実はやや小ぶりな「木村形」と通称いわれているものである。
 別項「情報室・駒形について」ご覧いただくとおわかりのように、かつての名工の一人であった木村(「名工の轍・木村文俊」参照)が、よく作っていたやや縦長な駒形である。その駒形に、木村しか作っていなかった「寉園」の書体を収めたかったのである。
 「第8回オークション・寉園書虎斑盛り上げ駒(第271作)」で盛り上げは作ったことはあるのだが、木村独特の枯淡の味は、彫り駒のほうが似合う気がしたのである。そこで、その味わいを出すために、漆も茶褐色を帯びるように、朱合いと呂色の混ぜ漆にした。左写真の「玉将」をご覧いただければ、その味わいがわかっていただけるだろうか。
 駒を作るとき、「書体」「駒の製法」「駒木地の種別」「駒木地の駒形」など、いずれの観点からも何を作るかのきっかけになることがある。今回の「寉園」は、先に「駒形」ありきだったわけだ。

 

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駒の詩