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巻菱湖書島黄楊虎杢盛り上げ駒
第300作(松枝正義氏所蔵)


別カット

 

 私(酔棋)が駒を作るようになってから、300作目の記念作である。別項「酔棋制作駒『第3回』個展のお知らせ」でもふれているが、これまでに駒作りは30年以上の歳月を経てきたわけだ。
 通常の盛り上げ駒の制作期間は2〜3か月を要す。ということは、私のこれまでの駒を作りつづけてきた工夫や熱意、思いなどが、この「巻菱湖」にも含まれているとすれば、この駒の制作期間は30年と2〜3か月ということになろうか。まあ、これはあくまでも冗談だが、「モノづくり」というのはそのような観点もあるのかもしれない。
 「巻菱湖」は人気のある書体だからか、制作依頼されることが比較的に多いし、私自身も好きな書体のベスト3には入っている。別項「書体への誘い・菱湖」をご覧いただければおわかりのように、この書体には太字と細字の2パターンがあるが、最近では私が作る場合は、どうやら中間の太さになっている気がする。またそれが、私の好みなのかもしれない。
 左の「玉将」と「歩兵」の拡大写真をご覧いただきたい。盛り上げの漆の具合や虎杢の感じ、それに面取りもわかっていただけると思う。「将棋駒研究会」会長の北田さんが、「漆がフワっとした感じの盛り上げがいい」とよく言っているが、どこまでそれに近づけたのかの判断は、みなさんにお任せしたい。
 「巻菱湖」は駒字そのものが派手だから、どのような駒木地でも対応しそれなりの雰囲気を醸し出す。とはいえ、やはり「虎杢」「虎斑」などの「虎系」が、右上がりの駒字にはマッチする。これまでにも2ケタまではいかないが、かなりの数の「虎系」で「巻菱湖」を私も作ってきた。なかでも、今回の「虎杢」は出色の駒木地だと思う。こういう駒木地に出会うと、「木地に負けないように」という気がふつふつとわき起こってくる。「駒師をやっていてよかったな」と、つくづく思わせる瞬間でもある。
 

 

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駒の詩