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酔棋制作駒プレゼント抽選<第10回>

 

応募期間・2012年9月7日(金曜)21時〜10月13日(土曜)21時

応募終了しました!

「プレゼント抽選第10回」応募人数は70人でした。
みなさんご応募ありがとうございました。


  いつも『駒の詩』をご覧いただいているみなさんへの感謝の意味も込めて、酔棋からの「駒プレゼント抽選の第10回」を企画しました。
 早いもので、このプレゼント企画も10回目となりました。今回は、この企画のために新たに作った書き駒です。
 駒のプレゼントは1人だけですが、下記に書きましたようにDVDや本を含め、計7人のプレゼントを用意しました。
 このホームページをご覧いただいている方ならどなたでも、抽選への応募はOKです。ただし、応募要件としては1人1回の応募とさせていただきます。故意の重複応募やメールアドレスを変えての応募は、原則として無効とさせていただきます。
 応募いただいた方々の中から、厳正なる抽選で「当選した1名の方」に、下記写真の駒「岳城島黄楊柾目書き駒」(第339作)を、プレゼントいたします。その他としては、「3名の方」に『DVD「駒を作る」』と、「3名の方」に拙著『将棋駒の世界』を抽選で差し上げます。

 


■駒プレゼント(当選1名)
 「岳城島黄楊柾目書き駒」(第339作)紹介

駒プレゼント(岳城)当選者

お名前・高橋麻里子さん(東京)

当選時の喜びのメール

 まさか私が当選するなんて!  いまだに夢のようです。
 今年2月に駒の動かし方を覚えたばかりの初心者です。
駒の書体もまったく知らず、どんなものがあるんだろうと調べていて、たまたま酔棋さんのホームページにたどり着きました。
 すごい駒は宝石のようなんだなと見惚れ、ダメもとで応募してみたら……まさかの当選!! この駒に少しでも棋力が追いつくように、これから頑張っていきたいです!
 本当にありがとうございました。

   

駒を手にした喜びのコメント
高橋さんは、東京在住の方です
駒の飾りケースの前で、当選した「岳城」を手にする高橋麻里子さん。

 本日(2012年10月27日)、酔棋さんの工房にお邪魔して駒を受け取りました。艶と光沢、滑らかな触り心地、想像以上に素晴らしいです。
 酔棋さんに駒落ちで対局していただき、駒の「魂入れ」をしているときには、まだ滑りやすい駒がどんどん手に馴染んでくる様子に驚きました。
 名前(下写真)まで入れていただいて、なんだかもう自分の分身のような気がします。
 大切に使ってゆきたいと思います。

 工房(増山の自宅マンション)では駒作りのお話や貴重な駒の数々、将棋にまつわるエピソードを披露していただいて、とっても楽しかったです。
 こちらも本当にありがとうございました!

▼酔棋の一言
 すでに発表したとおり、2012年9月〜10月に開催した「第10回駒プレゼント」の当選者は、左記の高橋さんです。その他の当選者は下記に発表してあります。
 抽選し当選者などが決まったあとで私自身が具合が悪くなり、1か月前くらいに転んだことが原因で、急きょ入院し手術(硬膜下血腫)することになってしまいました。高橋さんは東京在住の方でしたので、10月20日に当選の駒を拙宅まで取りにいらっしゃることになっていました。1週間くらいの入院でしたので、駒の引き渡しも1週間延ばしてもらったというわけです。
 ちなみに書籍などの他の当選者にも、すでに賞品は発送してあることをこの場を借りてお断りしておきます。

「王将」の表。 裏に名前を入れた。

※当選の駒「岳城」の「王将」の裏に、高橋さんのお名前を彫り埋めで入れしました。入退院の合間でしたが、何とか名前入れが完成してよかったです。

●当選者来宅と「将棋研修会」へのお邪魔虫

  上記のとおり、拙宅に高橋さんがご主人と一緒に当選の駒を受け取りにいらっしゃった。コヒーとケーキを味わいつつ、 高橋さんの棋力など将棋に関するお話をうかがういました。高橋さんが今年になってから将棋を始めたこと、ご主人が子供のときに少し指していたこと、現在ではお二人とも同じくらいの棋力とのことでした。
 今回の駒は女性の作者が由来(「信華」下記参照)でしたので、女性が当選して使っていただけるといいかなって思っていたことが、 実現して私もよかったと思っています。また、将棋そのものが女性にも広まっていき、駒にも興味を抱いていただくことは、駒を作りつづけてきた一人としてうれしいことでもあります。もっとも、「黄楊は木の宝石」でもあり、漆は塗料としてもすぐれていますし、「漆黒」の表現どおり奥の深さもあります。今回の抽選を機に、一人でも女性の駒ファンが増えることはありがたいことでもあります。

記念対局は、6枚落ちで対戦しました。 ご主人とは平手戦での対局。

 高橋さんは初心者にちがいはありませんが、高橋和女流三段の教室「Shogiotome」(http://www.shogiotome.com)にも参加しているとのことで、まだ棋力は低くても正しい将棋をめざしているようです。高橋さんの棋力向上や、教室での実戦に少しでもこの「岳城」がお役に立てば、制作者としてもうれしいかぎりです。
 新しい駒が完成するといつも行っている「魂入れ」の儀式は、高橋さんと「6枚落ち」での対戦となりました(上左写真)。7寸の榧盤に今回の書き駒を並べ、対局が始まりました。なお、私が帽子をかぶっているのは、先の手術のため頭を一部剃っているからであって、くれぐれもハゲというわけではありません(笑い)。上手の私が序盤で小ミスを犯し、下手に馬を作られ苦しい展開でしたが、途中から上手に誤魔化され(笑い)、高橋さんの惜敗に終わりました。高橋さんの悔しさを、おそらくこの「岳城」は受け止めてくれることでしょう。今後の高橋さんの将棋ライフの手助けになることを、祈念しています。また、せっかくの機会ですから、ご主人との記念対局(上右写真)も引き続き行いました。

女性研修会での対局。 やはり和服は将棋に合います。 高橋(左)、和服の方(右)。▼盤面拡大


  高橋さんが拙宅にいらした当日は、先ほどの将棋教室のメンバーによる研修会が「新宿将棋センター」の一部を借りて行われているとうかがいました。そこで高橋さんに、「その研修会にぜひお邪魔したいと」 お願いしたのです。研修会のみなさんも、突然のお願いにこたえていただき、「新宿将棋センター」に高橋ご夫妻と一緒にうかがったのです。そこでの高橋さんの対局が上の写真です。ちなみに女性のみの研修会ですが、写真に写っている男性は、コーチの方ということです。対局の拡大盤面をご覧いただくとおわかりのように、とても今年将棋を始めたばかりとは思えないくらい、しっかりしているのでちょっとびっくりしました。
 最後になりましたが、突然の訪問にもかかわらず温かく迎えていただき、研修会のみなさん大変ありがとうございます。これからも、将棋の研鑽に努めてください! ついでに将棋駒にも興味をもってください!

王将を手に高橋さん。研修会のみなさん感謝です!



別カット

岳城島黄楊柾目
書き駒
酔棋作(第339作)

●書体の「岳城」について

桂馬(上)、と金(下)。

 まずは、今回のプレゼント駒となった「岳城」という書体について、少し説明しておきます。
 私(酔棋)自身も、初めて作る書体です。私が『NHK将棋講座』(▼別項参照)に駒シリーズを連載(1993年4月〜2000年3月)していたときに、「岳城書島黄楊根杢盛り上げ駒・信華作」を掲載したことがあります。実際に拝見したその書体の駒も、この一組だけでした。そのときにいずれは作ってみようかと思い、今回それを実現したというわけです。大正から昭和の初期にかけて活躍した女流駒師であった作者の信華については、「駒資料館・4.金龍」(▼別項参照)をご覧ください。作るにあたって、「岳城」という書体について少し調べてみましたが、人名だか地名だかすらもよくわかりませんでした。もしもご存じの方がいらしたら、お知らせいただければありがたいです。
 この書体の特徴としては、左に掲載した「桂馬」(上)と「と金」(下)が際立っていると思います。「馬」の4つの点を一本棒(の箇所)にするのは、他の書体でもありますが珍しいほうでしょう。何といっても、「と」をくるっと回す(の箇所)書き方は、かなり現代的な感じがして実におもしろい表現です。かなりの数の書体をこれまでにも見てきましたが、このような独特の「と金」の処理は、この「岳城」だけでした。
 もともとの作者が女性であったことから、今回のプレゼント駒も女性が当選して使っていただければ、とちょっと願っています。もっとも抽選ですから、そうはいくとは思えませんが(笑い)。どちらにしましても、女性をはじめたくさんのみなさんの応募をお待ちしております。
 もしも、ここで掲載しているよりもさらに大きな写真が見たい方は、「フォトライブラリー」(▼別項参照)へ行って「▼オークション出品・プレゼント抽選・将棋大会」(下のほう)で、作品番号(No.339)をお探しください。

●酔棋流書き駒の作り方

 前回(9回)のプレゼント企画でも「酔棋流書き駒」についてふれましたが、さらに写真などを豊富に入れてより詳細に書いておきますので、興味のある方はぜひご覧ください。
 下記に掲載した書き駒工程写真は、すべてというわけにもいきませんですが、順を追ってポイントを説明していきます。

@駒木地をサンドペーパー(800番)で全体を研磨する。 A布製のサンドペーパー(600番)で面取りをする。 B水性サンドペーパー(1200番)で水を使って、研磨する。
C盛り上げ用の目止めを駒木地の表裏に施す。 Dラッピングフィルム(4000番)でよけいな目止めを取り研磨。 Eプラスチッククロスで全体を念入りに研磨する。

 上記の@〜Eの工程をへて、書き駒を作るための駒木地がやっとできあがります。ご存じのように一組の駒は全部で40枚ですから、もちろん各工程ごとに行うのですが、40回繰り返すことには間違いありません。これがなかなか大変です。
 @では、駒木地を回すように研磨します。前後で研磨すると、片減りしたりするからです。Aは、いったんサンドペーパーで軽く面取りしてから、布製のサンドペーパーでさらにていねいに面取りします。Bのように、水を使って研磨するとよりきめが細かくできます。ただし、駒木地はあまり水をつけるとよくないですから、すぐにふき取ります。C盛り上げ用の目止め(水性との粉)を漆マット(スポンジみたいなもの)にたらし、駒木地に付着させすぐに布でふき取ります。Dラッピングフィルムを使う場合は、ゴミがつくとすぐに傷がつくので、それに注意しながら回す感じで研磨します。Eプラスチッククロスは布製に近いから、かなり力を入れて磨いても大丈夫です。
 ちなみに@〜Eまでの研磨の工程は、通常の彫り埋めの完成から盛り上げの工程に入る前とまったく同じです。

F磨き上げた駒木地。これでいよいよ漆書きが可能になった。 G左が元の字母紙、右は反転し置き目紙にコピーしたもの。 Hコピーした置き目紙を、表裏を碍子を使ってこする。

 F目止めと面取りを施した駒木地。書き駒の下地の完成といっていいでしょう。Gパソコンで作って新たに起こした「岳城」の字母紙を、反転し置き目紙にコピーします。H碍子(磁器製)を使って表裏をよくこすります。和紙が毛羽立ってこないようにするためです。その後、一枚ずつ切り取って使います。

I反転した字母紙に、絵漆で駒字を書いていく。 Jハンコのように駒木地を押し当てて、漆を転写させる。 K見本の字母紙をそばに置き、盛り上げ台に駒木地を設置。 L下地のアタリを頼りに、漆で駒字を書いていく。

 Iハンコと同様に、反転した字母紙に絵漆(または弁柄漆/やや赤みががった焦げ茶色)で駒字を縁取りし、ティッシュなどで多すぎる漆を吸い取り、それを駒木地に転写します(J/桂馬)。たとえば歩なら、4、5枚は転写できます。少しでも駒字がズレると台無しになりますから、細心の注意を払います。K盛り上げ台(回転できるようになっている)に駒を設置します。その前に、ゴミが入らないように呂色漆を和紙で漉しておききます(スプーン状のものに入っている)。L見本を参照しながら転写したアタリを頼りに、漆筆で駒字を書いて(盛り上げて)いきます。
 完成した駒を裏返し(ゴミが入らないように)にし、駒の乾燥台に駒を並べて置きムロに入れて1〜2日ゆっくりと乾かす。必要とあれば、2日目くらいに漆マットなどに水分をふくませて入れます。あとは完成を待つだけです。

 この「酔棋流書き駒」の製法について、最後にいくつかさらにポイントをあげておきますので、駒作りそのものや工程に興味のある方は参考にしてください。

 1.実をいうと彫り駒よりも、工程にいろいろと細心の注意がいるなどかなり面倒なので、書き駒のほうがかえって大変かもしれない。
 2.反転した置き目紙の字母紙作りにかなり手間がかかる。つまり通常の反転コピーでは、置き目紙が薄すぎてうまくいかないので、コピー紙に抱き合わせたりする工夫がいる。
 3.まっさらの駒木地を、盛り上げまでのように磨き上げるのは、根気と努力がかなり必要だ。また、盛り上げ用の目止めにも工夫がいる。
 4.絵漆で反転駒字を書くとき、少しでもはみ出すと仕上がりまで残ってしまう。少なすぎるのは盛り上げるときに足せば何とかなるが、はみ出したものはどうしようもない。
 5.先にもふれたが漆の盛り上げや乾燥時の難しさは、通常の盛り上げ駒と何ら変わらない。また失敗したときには、すぐに漆をふき取っても、どうしても駒木地に残ってしまうので、磨きの工程を最初からやり直さなければならない。

 以上のような面倒さがつきまとうからなのか、何人かの駒師仲間にもこの書き駒の作り方を説明したこともありますが、追従する方はほとんどいないといっていい状況です。
 通常盛り上げ駒を長い間使っていると、漆が摩耗したりハガレが起こったりします。これは製法においての目止めや駒木地の差異はあるかもしれませんが、バシバシ長いこと使っていればどうしても生じてしまう現象といえるでしょう。その場合、漆が飛んだり彫り埋め駒みたいになった盛り上げ駒は、作り直す駒師さえいれば再度盛り上げに復活させるのは可能です。
 これは私見ですが、強度の点からいっても書き駒も下地の彫り埋めがないだけで、盛り上げ駒とそんなに違いはないと思われます。今回のプレゼントに当選した方は、そのあたりも念頭において遠慮なくビシバシ指して使っていただければと思っています。もしもそのような状態にこの書き駒がなったとしても、私が駒作りを続けている間なら、直すこともできますから(笑い)。


上記の「駒カード」の当選者欄にお名前を入れ、右の平箱に入れた駒に同封します。


 それではみなさん、下段の「フォーマット」からぜひ応募してみてください。
 なお、当選者(1名)にはプレゼントの駒(上写真右の平箱に入れて)の他に、いつも差し上げている駒の写真数枚、写真CD、駒カードも同封いたします。さらに余り歩で作った根付(すぐ上写真)も入れておきますので、ストラップなどにお使いください。
 『駒の詩』をご覧いただいているみなさんは、すでに『将棋駒の世界』(▼別項参照)をお読みいただいている方が多いと思いますが、もしもご希望があれば、ため書き「使われてこそ名駒・棋は鼎談あり・駒の後ろに作者が見える」のどれかを書いて1冊差し上げます。当選者は、その旨をお知らせください。

■『DVD「駒を作る」』(3名)と『将棋駒の世界』(3名)


『DVD「駒を作る」』当選者(3名)

貫井 功二郎(埼玉)・茂山俊一(大阪)・福田和久(長崎)


『将棋駒の世界』各当選者(3名)

鳥本恭稔(札幌)・嶋田康史(東京)・須山菜々(東京)

 上記の『DVD「駒を作る」』(左写真)と、『将棋駒の世界』(右写真)をそれぞれ3名の方にプレゼントします。
 『DVD「駒を作る」』は、駒作りに興味のある方はもちろんのこと、そうでない方でも楽しめると思います。内容などの詳細は「ビデオ『駒を作る』」(▼別項参照)をご覧ください。
 同じく『将棋駒の世界』に、もしもご希望があれば、ため書き「使われてこそ名駒・棋は鼎談あり・駒の後ろに作者が見える」のどれかを書いて1冊差し上げます。当選者は、その旨をお知らせください。

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