第4回の酔棋制作駒オークションとして、下記の駒「奥野錦旗薩摩黄楊柾目彫り駒」(第244作)を、出品することにいたしました。その駒の詳細(写真など)は、下記に掲載してあります。
オークションの開催日程は、2004年9月10日(金曜日)0時から開始して9月20日(月曜日)21時が締め切りです。それまでにじっくりとご覧いただき、気に入っていただけた方は奮ってオークションに参加してください。
数ある書体の中で「奥野錦旗」は、現在まで延べ制作数13組にも上り、比較的に酔棋(私)の得意(他には「水無瀬」「巻菱湖」「宗歩好」「酔棋好」など)とする書体の1つといえるでしょう。
別項の「酔棋制作駒作品ライブラリー」にも掲載している2組(第201作)(第225作)の「奥野錦旗」は、共に私好みに木地呂漆(こげ茶色)をベースに仕上げた彫り駒ですが、今回の出品作は通常の黒い呂色漆の仕上げにしてあります。先の2組の駒と、出品作を見比べればその違いがわかるはずです。
もともとは、別項「名工の轍・奥野一香」で紹介している奥野作の、実物の彫り駒「錦旗」(ある駒収集家所蔵・字母紙のみ)を拝見し、それに影響されて作るようになったのが、この「奥野錦旗」です。今までにも「奥野錦旗」で盛り上げ駒を作らなかったわけではありませんが、この書体のイメージはざっくりと彫った彫り駒がいいような気がします。
別項「『駒の詩』情報室」から入る「酔棋制作駒・駒木地リスト」でおわかりのように、彫り駒は通常10万円で提供していますが、オークション価格は特別価格の3万円からのスタートとなります。なお最低単位は、「1000円」とさせていただきます。今回は、なるべく多くの方々に参加していただきたく、彫り駒で開始価格を抑えてあります。
実際にオークションに参加する場合は、下記の「オークションのヘルプ」を十分にお読みになって、「入札する!」からお入りください。
落札者が決定する9月20日がすみしだい、私(酔棋)とその方とで、その後の詳細(下記の「落札なさった方に」をお読みください)をメールで決めることになります。その節はよろしくお願いいたします。
第4回オークション駒の紹介!
落札者は藤田育生さん 藤田さんはニックネーム「コロティス」さんで、東京都在住の方です。 |
ざっくりとした彫りに合うように、駒木地は素朴な薩摩黄楊柾目です。この駒木地の駒形は、下写真(玉将と歩)をご覧いただければおわかりのように、やや駒形の末広がりが鈍角になっています。
私自身は駒木地を制作していませんので、駒木地を手に入れたとき、それに合う書体を作ることがよくあります。この駒木地が、奥野作の駒形に類似していたものですから、「奥野錦旗」を作ろうと思ったわけです。
このように駒木地を実際に目の前にしてから、作る書体を決めるということも、ことに虎斑などの高級駒木地ではよくあります。そのようなひと時は、まさに駒師にとって至福の瞬間といってよいでしょう。
堅い薩摩黄楊でも使えばもちろん傷はつきますが、指せば指すほどなじんできて味わいが増してきます。落札なさった方は歳月をかけて、自分好みに育ててください。
駒は写真の平箱に収めて、送付します。飾っておくのには平箱でもいいのですが、実際にお使いになるのなら、なるべくなら通常の駒箱にしまってください。 |
末広がりがやや鈍角な駒形は、「奥野錦旗」にぴったりな感じがします。 |
以上のような駒ですが、よかったらオークションに参加してみてください。この駒について何か他に尋ねたいことがあれば、メールをいただければできるだけお答えいたします。
「入札の醍醐味を味わうのもよし」
「締切日直前までじっくりと検討するのもよし」
この駒は、なるべくなら実戦でビシビシとお指しになる方に落札していただきたいと思っています。作った私が言うのもおこがましいですが、この駒は飾っておくより、実際に使われたほうが味わいがよくなるような気がするからです。
落札なさった方とは、決定後にメールのやり取りで送付方法や落札額のお支払い方法など、詳細を決めたいと考えています。また、ご希望があれば、私の制作駒をお渡しするときに通常差し上げている下記の駒カードや、写真(数点)をご一緒に送付いたします。
落札者がお決めになることですが、駒を引き渡し後に、この駒を「酔棋制作駒作品ライブラリー」に掲載させていただけないでしょうか? その節は(○○所蔵)をできれば本名で、それが難しければ(落札者所蔵)でもかまいません。これらのことを考慮していただければありがたいです。
駒カード(実物は名刺サイズ)